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しまい忘れではありません! 旅客機が「タイヤ見せたまま」飛び回る超・合理的な理由

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目的は軽量化と冷却効率

 通常、旅客機のタイヤ(主脚)は離陸後に機体内部へ収納されます。しかし、中には空に上がっても車輪がむき出しのまま飛行している機体があります。「カバー出し忘れた?」と不安になるかもしれませんが、実はあえてタイヤを露出させる設計になっているのです。

Large figure1 gallery4ボーイング737型機(画像:写真AC)

 現代の多くの旅客機は、主脚格納部にドアを持ち、格納後にそれを閉じることが一般的です。主脚を完全に覆うことで、装置の保護や空気抵抗の低減を図っています。離陸直後や着陸直前に機内で響く「ドン」という音や振動は、この脚の出し入れやドアの開閉によるものです。

 一方で、主脚格納部にドアがなく、タイヤ側面が露出したまま飛行する代表的なモデルには、アメリカ製のボーイング737シリーズや、ブラジル製のエンブラエル170・190などがあります。

 なぜ、あえて「タイヤむき出し」の構造を採用しているのでしょうか。

 最大の理由は軽量化です。脚を覆う大型のドアや駆動メカニズムを省くことで、機体重量を削減できます。機体が軽ければ離陸滑走距離を短縮でき、滑走路の短い地方空港への就航にも有利に働きます。

 もうひとつの重要な狙いは、走行・制動で発生した熱の冷却です。

 旅客機の離着陸時、主脚のブレーキ装置には大きな摩擦熱が発生しており、場合によっては摂氏300度から数百度に達することもあります。近年では熱耐性が向上していますが、それでも着陸後の冷却は不可欠です。

 一方、巡航中の外気はマイナス50度以下になることも珍しくなく、飛行中の冷たい外気を「天然のクーラー」として利用し、次の着陸に備えて効率よくブレーキを冷却しています。

 J-AIRなどのリージョナル航空会社では、便間の時間が短い運用が一般的です。次のフライトまでの時間が短い「短距離路線」を主眼に置く機体にとって、この熱をいかに早く逃がすかが運航効率のカギとなっているのです。

 もちろん、デメリットもあります。ドアがないことで格納部に凹凸が生じ、空気抵抗(ドラッグ)が増大します。しかし、短距離飛行が中心の機体においては、燃費悪化のデメリットよりも、軽量化と冷却効率によるメリットの方が上回ると判断された結果、冒頭に記したような構造になっているのです。

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