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浅野拓磨選手「給与未払い」退団に批判…行動は無責任だった? 専門家の見解

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浅野拓磨選手(2021年3月、時事)
浅野拓磨選手(2021年3月、時事)

 サッカー日本代表の浅野拓磨選手が、セルビア1部リーグのパルチザン・ベオグラードとの契約を自ら解除したと5月2日に発表し、国内外で波紋が広がっています。契約解除の理由について、浅野選手は自身のブログで「クラブによる度重なる給与等の未払い、またそれに対する不誠実な対応によりクラブからのリスペクトを感じられなくなってしまったことがこの決断の理由」と説明しています。

 シーズン途中での突然の契約解除だったことから、かつてのチームメートから批判が相次いだほか、クラブ側も「根拠のない理由で契約解除に至った」として、国際サッカー連盟(FIFA)の管轄機関に訴える意向を表明しており、騒動は長期化することが予想されます。「給与未払い」を理由にシーズン途中で、自身から契約を解除した浅野選手の行動は無責任なのでしょうか。スポーツビジネスにも詳しい一般社団法人日本スポーツマンシップ協会理事の江頭満正さんに聞きました。

契約解除の権利はあっても…

Q.そもそも、プロサッカー選手が求められる成果とは。

江頭さん「前提として、プロサッカー選手は個人事業主であり、終身雇用も視野に入れた日本のサラリーマンとは置かれた状況が異なります。

プロサッカー選手が給与に対する成果として求められるものは、2つあります。一つはチームの一員としてよい成績を上げること、もう一つはスタジアムに多くの観客を集め、テレビで応援してくれるサポーターが増えるような魅力的なプレーをすることです。この点において、浅野選手は今季の公式戦で21得点を決めており、セルビアの市民からも評価されていました。報酬に見合った働きをしていたと思います」

Q.シーズン途中で、自身からクラブとの契約を解除した浅野選手は無責任なのでしょうか。また、別れのあいさつがなかったとはいえ、「給与が支払われない」という正当な理由でクラブを退団した浅野選手をチームメートが相次いで批判したのは、なぜなのでしょうか。

江頭さん「クラブがあるセルビアの内情や、セルビア人選手と外国人選手との待遇の格差について考える必要があります。浅野選手が所属していたパルチザン・ベオグラード(1945年創設)は2019~20シーズン終了時点でリーグ優勝27回、カップ優勝11回を数える強豪で、旧ユーゴスラビア時代から現在まで、同じく、ベオグラードを本拠地とするクラブ、レッドスター・ベオグラードとともにセルビアを代表するクラブです。

しかし、その経営は西欧のサッカークラブとは比較にならないほど貧弱です。なぜなら、1991年に起きたユーゴスラビアの内戦から、セルビアとして独立宣言をした2006年まで、国内では長期間にわたって、政治や経済が不安定な状態が続いたからです。その影響で、セルビアサッカー界では今も給与の遅延が珍しくありませんが、国内クラブに所属するセルビア人選手は給与が未払いでも、クラブとの契約を解除する権利がありません。そのため、彼らは無給でも試合に出場し続けなくてはならないのです。

一方、外国人選手には給与が未払いのとき、所属クラブとの契約を解除する権利が与えられています。FIFAの規則では、外国人選手はクラブからの給与の支払いが2回遅れた場合、クラブに警告を送れば、その15日後に契約解除を通告できると定められているからです。

チームメートは無給でも、今季のリーグ戦優勝や国内カップ戦の優勝に向けて奮闘していました。そんな中、チームで特別な権利を与えられ、他のチームメートよりも高い給与を得ているとされる浅野選手が『給与が払われない』という理由で、一言のあいさつもなしに急に退団したら、チームメートは批判して当然ではないでしょうか。

また、内戦の記憶がいまだに残るベオグラード市民にとっても、浅野選手の行為は私たち日本人の想像以上に、非常識に見えたことでしょう。今回の浅野選手の行動は正当性はありますが、称賛できるものではありません」

Q.今回の騒動が他の日本人選手に与える影響について教えてください。また、日本人のサッカー選手が海外のクラブに移籍するときに心掛けるべきことは。

江頭さん「今後、日本人選手が浅野選手と同じことを海外のクラブで次々に行ったら、日本人選手は世界のサッカー市場から締め出されるでしょう。その理由は『チームやチームメート、サポーターよりもお金が重要である』ということを示したことになるためです。

日本人のサッカー選手が海外のクラブに移籍する場合、その国の言語を習得するのはもちろんですが、その国の歴史やその国でサッカーがどのような役割を果たしているのかを十分に学び、理解した上で行動しなくてはなりません。また、給与の未払いや人種差別など、日本の常識では考えられない出来事に遭遇することも珍しくないので、その国でサッカー選手として生きる覚悟が求められます。

例えば、戦禍でもサッカーを続けてきたセルビアにとって、サッカーは社会的なインフラであり、電気、水道、ガスと同様、生活に必要不可欠なものになっています。セルビア人選手が給与が未払いの状態でも試合に出場し続けるのは、先述のように、クラブと契約解除する権利が与えられていないこともありますが、彼らが『自分が社会のインフラを担っている』という使命感を背負っているためでもあります。

また、スポーツマンシップ(正義)が浸透している国では『チーム』という概念は特別です。日本においてはスポーツ指導者ですら、グループとチームの違いを正確に説明できないこともありますし、よいチームの定義が曖昧な人も少なくありません。そのため、日本と海外のスポーツマンシップの違いも理解する必要があります。彼らにとって、大事なチームとお金とをてんびんに掛け、お金を選んだのが浅野選手です。浅野選手がチームという概念を知らなかったことが要因だと思います」

Q.もし、浅野選手がクラブ側の対応に目をつぶり、シーズン終了まで在籍していた場合、どうなっていたのでしょうか。

江頭さん「ドイツのスポーツメディアによると、浅野選手の市場価格は250万ユーロ(約3億円)と報じられています。一方、セルビアの人口は約700万人と、東京都の人口(約1400万人)の半分程度なので、クラブが国内のビジネスだけで浅野選手に給与を払うのは難しかったと思います。未払い分の給与は国内大会・国際大会の賞金や、浅野選手を他クラブに売却したときに得る利益などで賄われ、数カ月後に支払われることになったのではないでしょうか。

しかし、そもそも、セルビア人選手に給与の遅配による契約解除の権利が与えられていないこと自体がおかしいのですから、浅野選手は他のセルビア人選手と一緒に、クラブに対して給与の支払いを求めたり、制度改革を要求したりすべきでしたし、そうしたチャンスはあったと思います」

Q.「セルビアにとって、サッカーは社会的インフラ」とのことですが、サッカーがその国の社会を大きく変えることもあるのでしょうか。

江頭さん「大いにあります。例えば、1991年に起きたユーゴスラビア紛争は前年の5月13日、クロアチア・ザグレブのスタジアム、スタディオン・マクシミールで行われたディナモ・ザグレブ(クロアチア)とベオグラード・レッドスターとの試合で起きた暴動がきっかけです。この暴動を機に、民族間の対立がユーゴスラビア全土に広がっていきました。

また、南アフリカの人種隔離政策(アパルトヘイト)が解放に向かった最初の要因は、1967年に同国のロベン島刑務所に収監されていた囚人たちが刑務所内でサッカーリーグを創設したことだと考えられています。FIFAは当時、南アフリカのワールドカップ参加は認めなかったものの、同刑務所のサッカーリーグに対して、ワールドカップ予選の招待状を送り、南アフリカのアパルトヘイト政策を批判しました。

国によっては、サッカーはスポーツの枠を超えた存在である場合もあります。そのことを正確に理解しないと、法的には正しい行為をしても激しい批判を受けることがあります」

オトナンサー編集部

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