立派に「東京臨海高速鉄道」が管理者になっています。
りんかい線の電車が通過する
りんかい線の電車(草町義和撮影)。
東京臨海高速鉄道(りんかい線)は、大崎駅からお台場を経由して新木場まで向かう第三セクター鉄道です。来年に新型車両「71-000形」も導入されることが決まり、脚光を浴びています。
ところで、りんかい線には、れっきとした「踏切」があるそうです。大部分が地下ということで、踏切を通過する風景を見ることはないかもしれません。そんな幻の鉄道風景に、交通系Youtuberの「がみ」さんと「かんの」さんが出会いました。
その現場は、品川区の臨海部にある東京貨物ターミナルの脇。ここは浜川崎を経由して西日本方面へ、あるいは武蔵野貨物線を経由して東北・信州方面へ向かう、東京側の貨物列車の起点となっています。
東京貨物ターミナルには並行して、東海道新幹線の「大井車両基地」があります。田町駅付近から海側へ分岐し、ここまで新幹線の回送列車がやって来るのです。
さらに、東京貨物ターミナルは貨物の終点ですが、さらに北へ線路が伸び、東海道新幹線の回送線に並行して、田町方面へ続いています。これはかつて汐留に貨物駅があった名残りで、1986年に廃止されてからこの線路「大汐線」は需要がゼロになり休止状態になっています。将来ここを活用して東京駅と羽田空港を直結する新線「羽田空港アクセス線」が整備される予定で、にわかにホットな現場であることは間違いありません。
さて、本題の「りんかい線の踏切」ですが、それらの敷地のもっとも東側にあるようです。「八潮踏切」にやってくると、さび付いて雑草まみれの線路と、現役バリバリに維持されている線路の2本が横断しています。
そのうち西側にあるのは先述の休止線「大汐線」ですが、隣のきれいな線路こそ、りんかい線の線路なのです。ここにはりんかい線の「八潮車両基地」があり、りんかい線の車両「70-000形」の留置や検査などを扱っています。
東京テレポート駅を大崎方面へ発車すると、りんかい線はやがて直角カーブで南へ進路を変えます。その手前にじつは南側へ分岐する線路があり、それが車両基地へのルートなのです。
地下トンネルで南進した回送線が地上に姿を現すのが、「八潮踏切」のすぐ北側。踏切からも、線路が地下へもぐっていく様子がうかがえます。
そしてこの八潮踏切は、東京臨海高速鉄道が管理する踏切。がみさんは「面白いな!貨物線とりんかい線が並走するポイントがあったとは」と興奮気味に話していました。
実はこの「東京貨物ターミナル~りんかい線」のルートこそ、かつて京葉線で計画されたものでした。実現することはありませんでしたが、交通政策審議会の2016年の答申「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」では、ここを旅客化して、羽田空港・浜川崎・横浜方面と新木場・千葉方面を直結するルートとして整備しようという構想が掲げられています。