「ゴールデンウィーク」が明けました。新生活からも一段落してきたところだと思いますが、大型連休が明けると、とたんにだるさや食欲不振、気分の落ち込みなどを感じる「5月病」を実感する人も多いと思います。長引くとさらなる体調の悪化につながるため、早めに対策をとりたいものです。5月病だなと感じた時には、どんな食事をとるとよいのでしょうか……。そこで、5月病の解消に役立つ食材について、管理栄養士の新谷友里江さんに聞きました。
少量でも◎ 規則正しく栄養バランスの良い食事を心掛ける
Q.5月病を感じたとき、食事はどんなことに気をつけるとよいですか?
新谷さん「5月病は、食欲や内臓の働きをコントロールする自律神経が乱れてしまうため、空腹を感じなくなったり、胃腸の働きが悪くなったりします。5月病を疑う症状があるときは、少量でもよいので、規則正しく、栄養バランスのよい食事を心がけることが大切です」
Q.5月病を感じたら、どんな栄養素をとるとよいのでしょうか。
新谷さん「5月病のときには、エネルギー代謝に関わり疲労回復効果のあるビタミンB1、抗酸化作用があり、抗ストレスホルモンを生成するビタミンC、精神安定にかかわる神経伝達物質セロトニンの原料となるトリプトファンといった栄養素をとるとよいと思います」
Q.では、5月病におすすめの食材を教えてください。
“新谷さん「上記の栄養素を含む食材のなかでも特におすすめなのが、次の4つです。気力が低下していても食べやすいので、ぜひ取り入れてみてください」
◆納豆
トリプトファンが多く含まれる大豆製品の中でも、納豆は手軽に食べやすいところが魅力です。納豆には、トリプトファンを有効に働かせるのに必要なビタミンB6も含まれているので、ごはんと一緒に食べるだけでOK。ビタミンB6が豊富なマグロなどのお刺身と合わせるのもおすすめです。しょうゆやごま油、酢などを混ぜてドレッシングにするのもおいしいですよ。
◆ブロッコリー
ブロッコリーには、ストレスへの抵抗力を高めるのに役立つビタミンCが豊富です。ビタミンCと同じく抗酸化作用の高い、βカロテンも豊富なので、疲労を引き起こす活性酸素から体を守ってくれるでしょう。まとめて塩ゆでしておけば、冷蔵庫で3日ほど持ちます。ストックしておいて、和え物にしたりスープに入れたりと、手軽に取り入れてみてください。
◆豚肉
豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれているので、少量でもしっかり栄養を摂取できます。脂が多いとビタミンB1の量が減ってしまうので、食べるなら赤身がおすすめです。食欲がないときは、ゆでて食べると胃にもやさしくヘルシーに食べられます。切らずに使える赤身のひき肉も便利ですよ。
◆鶏胸肉
鶏胸肉には、抗酸化作用や疲労回復効果のあるイミダゾールジペプチドが豊富に含まれています。胸肉は脂質が少ないので、胃にも優しく、食欲が落ち込んだときでも食べやすい食材です。レンジで蒸し鶏にして保存しておくと、いろいろな料理に使いやすいのでおすすめ。片栗粉をまぶしてサッと煮る方法も、しっとり柔らかく食べられておいしいですよ。
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5月病になったときは、少量でも規則正しく食事をとることが大切です。気力がわかなくても手軽に取り入れやすいスタミナ食材で、5月病を乗り越えましょう!
オトナンサー編集部