日本のUS-2よりもビッグです。
消防・救難機としても使用できます
中国国営の航空宇宙・防衛企業である中国航空工業集団（AVIC：Aviation Industry Corporation of China）は2025年4月20日、独自開発した飛行艇AG600「クンロン」が中国民間航空局の型式証明書を取得したと発表しました。
中国航空工業集団が開発した大型飛行艇AG600「クンロン」（画像：AVIC）。
AG600「クンロン」は、様々な用途に使える水陸両用機として開発された水陸両用機です。機体サイズは全長37.0m、全高12.1m、翼幅38.8m。最大離陸重量は53.5tで、ターボプロップエンジンを4発備え、胴体下部は海や湖などへ離着水できる構造をしている一方、陸上の飛行場でも運用できる本格的な降着装置も備えています。
原型は2017年12月24日に陸上から初飛行すると、2020年7月26日には洋上における離水にも成功。2022年5月31日には、より大重量な消火・救難型の初飛行も達成しています。
型式証明は、その飛行機のモデルが一定の安全基準を満たしているかどうかを、国や地域ごとに当局が審査する制度です。これをクリアすることで、機体ごとにメーカーが（取得前より大幅に項目が省略された）所定の検査を実施するだけで顧客に引き渡せるようになります。そのため、型式証明は、そのモデルが実用化するうえで不可欠なプロセスのひとつとなっています。
なお、AVICはAG600「クンロン」について、現用としては世界最大・最重の民間水陸両用機であると説明しています
ちなみに、日本の救難飛行艇US-2は全長33.25m、全幅33.15m、全高10.06m、最大離着陸重量47.7t。ロールスロイス製のターボプロップエンジンを4発備え、同様に陸上の飛行場からも運用可能な水陸両用機です。
