これ以上ないデモンストレーションかも
2日間をかけて世界一周
アメリカ空軍は2024年7月1日、同空軍の最新鋭空中給油機であるKC-46A「ペガサス」が、無着陸での世界一周飛行を達成したと発表しました。フライト時間はなんと45時間だそうです。
世界一周飛行に際してKC-135Rから給油を受けるKC-46A(画像:アメリカ空軍)。
KC-46Aは、アメリカの航空機メーカであるボーイング社のベストセラー旅客機「767」の貨物機型をベースとする空中給油機です。機体尾部から伸びるブームを操作して給油を行う「フライングブーム」方式に加え、主翼下に装備する給油ポッドから伸びるホース(ドローグ)を用いる「プローブ・アンド・ドローグ」方式にも対応しているため、幅広い航空機に対して給油することができます。
「プロジェクト・マゼラン」と名付けられた今回の飛行を実施したのは、アメリカ中西部のカンザス州にあるマッコーネル空軍基地に所在する第22空中給油航空団所属の機体。同基地を6月29日に離陸したKC-46Aは、途中でB-2「スピリット」ステルス爆撃機やC-17「グローブマスターIII」などに給油を行いながら、45時間をかけて世界を一周し、7月1日に再びマッコーネル空軍基地に着陸しました。
また、今回の飛行を支援するため、アメリカ空軍は他の空中給油機をグアム、イギリス、中東に派遣し、KC-46Aに対して給油を実施したとのこと。今回の飛行は、アメリカ空軍の世界規模での展開能力を示したという見方も出来そうです。
ちなみに、KC-46Aは航空自衛隊も導入を進めており、すでに鳥取県の美保基地において運用が開始されています。