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シュウマイ“過熱中” 包まないスタイル、せいろ蒸しブーム…日本シュウマイ協会・会長が見た10年大幅“変化”

オトナンサー

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“過熱中”シュウマイ 10年の変遷とは?
“過熱中”シュウマイ 10年の変遷とは?

“過熱中”シュウマイ 10年の変遷とは?“過熱中”シュウマイ 10年の変遷とは?

 2月26日は「シュウマイの日」です。「ツツム」の語呂にちなんで、日本シュウマイ協会が制定しました。中華料理の点心料理の一つとして誰もが知っているシュウマイですが、近年、市場が過熱しているということです。そこで、日本シュウマイ協会の代表理事で、シュウマイについて研究している種藤シュウマイ潤が、近年のシュウマイの動向について、解説します。

冷凍シュウマイで“革命”

 シュウマイの市場は、大きく家庭用と外食用に分けられます。総務省統計局が2025年に行った「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング」によると、家庭用における年間シュウマイの消費額は、2012~14年平均が全国平均1000円に対し、2024~26年平均は1139円と、113.9%増となりました。

 外食用のシュウマイにおいては、さらに顕著な過熱がみられます。

 「日本シュウマイ協会」の調査では、調査を開始した2015年時点でのシュウマイを中心に提供する飲食店は、全国で3店舗のみでした。その後、2021年に約70店舗に増加。そして2025年に150店舗を突破しました。

 シュウマイを研究してきた私なりに根拠を分析してみました。2016年12月に味の素冷凍食品(東京都中央区)が冷凍食品「ザ・シュウマイ」を発売しました。それまで、シュウマイは冷凍食品の一角を成す存在でありながらも、小さめ(20グラム弱)で、味付けも控えめ、あくまで副菜という位置づけの商品が主となっていました。ですが、同商品は30グラムと大きめで、味付けもしっかり、肉感も強く、主菜として食べても遜色ない満足感を出しました。

 他と一線を画すこととなった同商品は、発売から市場を席巻し、現在も売上高トップを走り続け、「冷凍シュウマイといえば味の素」という認知を定着させました。

 このヒットに競合他社が続々と主役となりうる商品を出したのはいうまでもなく、現在、マルハニチロ(東京都江東区)が「赤坂離宮の五目シュウマイ」、ニッポンハム(大阪市北区)が「中華の名店 四川飯店監修 国産豚の四川焼売」、ギョーザ専門店「大阪王将」を運営するイートアンドホールディングス(東京都品川区)が「大阪王将 たれつき肉焼売」を販売するなど、どれも大振りで味わいも濃厚、肉食感も強く満足感が高いものばかりです。

飲食店業界の変化、テレビバラエティーで特集も

 飲食店業界も「ザ・シュウマイ」のヒットをきっかけに、シュウマイに注目をし始めました。ギョーザの専門店はありましたが、シュウマイの専門店がないことに気付き、新たな業態としてシュウマイをメインとした店舗開発が進み、その“第一号店”といえるのが、2015年にクサマ(東京都新宿区)がオープンした中華ダイニング「野田焼売店」です。
 同店は中華食堂のスタイルをとりつつ、蒸すシュウマイとともに「揚げ」「焼き」「水(スープ)」と多彩な調理のシュウマイを提供します。さらに、つけだれも従来の「からし醤油」だけでなく、多様なタレを提案しました。

 2018年5月、人気バラエティー番組「マツコの知らない世界」(TBS系、毎週火曜午後8時55分~)でシュウマイが取り上げられることもありました。おそらく、全国放送のゴールデン帯(午後7~10時)で、シュウマイがテーマに選ばれたのは初めてで、日本で最も多くの人がシュウマイを視聴した時間帯といえます。ちなみに、この番組のゲストとして私が出演し、「ザ・シュウマイ」と「野田焼売店」を紹介させていただきました。

 同年夏には、福岡博多で全国初となるシュウマイ専門居酒屋チェーン「焼売酒場いしい」が誕生しました。同チェーンは、中華料理でもないカジュアルな居酒屋スタイルを採用し、若い世代も入りやすい明るくスタイリッシュな店舗デザインで、鳥をベースにしたシュウマイの蒸し、揚げなどで提供。同スタイルは博多エリアで人気を博し、関東にも波及、「焼売酒場ブーム」といえる現象が起こり、現在も増加中です。

 2021年、再び「マツコの知らない世界」でシュウマイがギョーザとともに取り上げられましたが、その頃から「焼売酒場ブーム」は関東にとどまらず、関西など他地域にも広がりました。一方で、フレンチやイタリアン、和食など他業種のこだわりを持つシェフたちが個性的なシュウマイ専門店を開発し、レベルが格段にアップしました。

 さらに、これまであまり大きな動きを見せなかった「総菜系」でもシュウマイの存在感が増し始めました。総菜の全国チェーン大手のほっかほっか亭総本部(大阪市北区)が、2025年12月からシュウマイをメインにした「贅沢(ぜいたく)シュウマイ弁当」を全国販売しました。知名度でいえば、崎陽軒(横浜市西区)の「シウマイ弁当」を思いつく人も多いと思いますが、あくまで関東エリア限定販売のため、全国販売は総菜系の「過熱」の大きな第一歩と言えます。

 そして2026年……私はシュウマイが、さらに過熱すると予測しています。

 先の冷凍シュウマイのリニューアルや「贅沢シュウマイ弁当」の影響はもちろん、家庭での手作りシュウマイが市場を後押しすると推測しています。

 要因は大きく二つあります。一つは、「包まないシュウマイ」のヒットです。これは、シュウマイの中身を丸めて置き、その上にシュウマイの皮を被せて軽く包み、あとは蒸すだけ。これまで手作りシュウマイは、握るのが難しい、面倒臭いという印象から、手作りギョーザに比べて敬遠されてきましたが、包まなくてもできる、という手間抜きの発想で、多くの料理研究家や一般家庭での動画がアップされ、拡散もされました。恐らく、これで多くの家庭でシュウマイを作る機会が増え、今年はさらに広まると思われます。

 もう一つは「せいろブーム」です。2021年コロナ禍あたりから家庭の調理器具として注目を集めた中華せいろが、今やレシピ本が多数出るほどの人気を博し、量販店でも気軽に買えるようになりました。

 レシピサイトや本でもさまざまな蒸し料理が紹介されていますが、せいろで簡単に肉料理を食べたければ、シュウマイに勝る料理はないでしょう。手作りシュウマイでも蒸す手間が障壁の一つでしたが、せいろブームでそれは完全に取り去られ、手作りすら面倒な人は冷凍やチルドシュウマイをせいろで蒸せば、おいしさが倍増したシュウマイを口にすることができます。こうしたシュウマイの価値の再評価が、せいろブームで起こると考えられます。

 外食系では、2024年ごろから提供する店が増えた「皿シュウマイ」が今年注目される可能性が高いです。東京・錦糸町の超人気店「緑町生駒」が生み出したとされる、皿にシュウマイの中身を敷き詰め、シュウマイの皮を何枚も重ねて覆い、皿ごと蒸しあげるスタイルの同料理。シュウマイなのに大皿料理という見栄えと、シェアできる楽しさ、味のダイナミックさなど、従来のシュウマイにはないおいしさと楽しさが凝縮し、他の飲食店でも広がり始めています。その他にも、面白そうなシュウマイを開発している店があると耳に入ってきており、新たな“ヒットシュウマイ”が誕生する可能性もあります。

 いずれにしても、2026年も“シュウマイ熱”は冷めることなく、ますます過熱していくと思われます。

オトナンサー編集部

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