新型コロナウイルスの感染者が増え続けており、丁寧な手洗いやアルコールを使った消毒が奨励されています。そんな中、普段使用するスマートフォンは手で直接触れる機会が多いため、本体にウイルスが付着して、そこからウイルスに感染する可能性が指摘されています。
そこで、市販の除菌ティッシュを使ってスマホをきれいにしたくなるところですが、クリーニング時にこうした製品を使ってもよいのでしょうか。Androidスマホで国内シェア1位(MM総研調べ)のシャープ(堺市)に聞きました。
開口部には要注意
同社社長室の広報担当者に聞きました。
Q.スマホを除菌ティッシュで拭いてもいいのでしょうか。例えば、スマホの液晶や背面などを除菌ティッシュで拭いたらどうなるのですか。
担当者「一般的な除菌ティッシュで拭き取っても、すぐに故障につながることはないと思います。ただ、スマホの機種によっては、本体が変色したり色あせたりするほか、塗装が剥がれるなどの可能性はあります。
なお、今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当社では2017年度以降に発売した自社のスマートフォン、携帯電話を対象に、一般的な除菌ティッシュに使われるアルコール濃度70%のエタノールでの拭き取り試験(1000回の拭き取り確認)を実施しました。その結果、本体の変色や色あせ、塗装の剥がれはほとんど見られませんでした」
Q.スマホをクリーニングする際の適切な方法はありますか。また、クリーニング時の注意点は。
担当者「基本的には、柔らかい布で拭くことをおすすめしています。もし、除菌ティッシュで拭くのであれば、隙間や開口部に湿気や液体が入らないようにご注意いただき、本体の表面を優しく拭き取ってください。ただ、塗装面に傷やへこみがある場合は、劣化が早まることがありますのでご注意ください」
Q.クリーニングの適切な頻度は。
担当者「汚れの状況にもよると思いますが、当社の試験は1日1回程度のクリーニングを想定して行いました。そのため、1日1回であれば問題はないと思います」
Q.スマホの中には、防水機能が備えられている機種もあります。防水機能が高い機種であれば、水洗いしても問題ないのでしょうか。
担当者「当社の防水機能付きの端末については、水洗いしても問題ありません。ただ、水洗いの際に注意事項がありますので、当該端末の説明書をよく読んでください。なお、他社の端末については当社では把握できておりませんので、そちらについても説明書で確認いただければと思います」
このほか、iPhoneやiPad、Macを販売する米Apple(アップル)も、パソコンやスマホの手入れ時に「70%イソプロピルアルコール含有ワイプ」(濃度70%のアルコール除菌シート)でディスプレーやキーボードなどの表面を拭き取るのは問題ない、と公式サイトで発表しています。
ただし、「開口部に湿気や水分が入り込まないよう」注意してほしい、とも呼び掛けています。
オトナンサー編集部