日本代表は14日、カタールワールドカップ・アジア2次予選でキルギス代表と対戦し、2-0で勝利を収めた。この試合中、日本サッカーに精通するイングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。(語り手:ショーン・キャロル)
「審判はカードを出すときに気を付けないと」
日本代表は14日、カタールワールドカップ・アジア2次予選でキルギス代表と対戦し、2-0で勝利を収めた。この試合中、日本サッカーに精通するイングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。(語り手:ショーン・キャロル)
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――本日もよろしくお願いします! 今回は、久保建英、堂安律、板倉滉の3選手がU-22日本代表に合流したため、A代表には不在です。さらに、冨安健洋、大迫勇也も招集メンバーから外れた中で、アウェイのキルギス戦に臨みます。
「よろしくお願いします! ピッチの状態があまりよくなさそう。連係で攻めるのではなく、自ら突破できる原口(元気)、伊東(純也)が起用されたのは良いかもしれません。
――前線には永井(謙佑)も起用されました。
「永井のスピードも活かして欲しいです。このようなピッチで綺麗なコンビネーションは難しいと思うので、ダイレクトなプレーが良いですね」
――そして、日本代表は今日から新ユニフォームで戦います。
「僕はユニフォームにはあまり興味がないですが、このシャツは独特で好きです」
――背番号が見づらいですね。
「たしかに。審判がカードを出すときは間違えないように気を付けないと(笑)」
「カズみたいに50代まで現役キャリアを…」
――デコボコのピッチに日本代表は苦労していますね。
「僕がイングランドでプレーしていたときは、このようなピッチが多かったです。ボールを保持して攻撃する形はできていないので、少し慣れる時間が必要です」
――ファンがスマートフォンのライトで照らしているようですね。タジキスタン戦でも同じ光景が見られました。
「面白い雰囲気を作っていますね」
――日本代表はサイドを起点に何度かチャンスが生まれています。
「間違いなくキルギスは中央を固めて守っています。90分通してできるかどうかがポイントになるかな」
――遠藤航から伊東への縦パスに南野拓実が反応して、南野が相手に倒されてPKを獲得しました。南野が蹴ります。
「ここまで2つのビッグチャンスを決められなかったので、決めてほしい。ゴール!」
――カズ(三浦知良)選手の3試合を越える、アジア予選4試合連続ゴールになりました。
「すごいね! 南野もカズみたいに50代まで現役キャリアを続けるかな(笑)」
――まだ25歳なのであと25年以上もありますね(笑)。
――日本は1点を先制して前半を終えました。
「まあまあです。内容はあまり良くないけど、試合前に言った通り、ピッチの状態は厳しい。その一方で、先制点を奪うことができたのは良かった。ピンチもあったけど、チャンスも作った。森保(一)監督も、全体を通じて満足しているかなと思います」
――前半、目立っていた選手はいますか?
「南野ですね。チャンスを2つ外したのに、PK奪取の瞬間、『絶対蹴る』という姿勢を見せて、しっかり入れました。精神的に強いです」
「伊東と遠藤のプレッシングを褒めたい」
――後半はどのあたりがポイントになるでしょうか。
「後半はもう少しボールキープをしてほしい。キルギスのカウンターは危ないので、攻守の切り替えはスムーズにしたいですね」
――遠藤が倒されて得たFKを、原口が直接決めました。
「フリーキックは素晴らしかったね。ピッチ状況もうまく活かしました。でも伊東と遠藤のプレッシングを褒めたいですね。それがなかったらゴールにならなかったから」
――伊東も南野もCL(UEFAチャンピオンズリーグ)を経験して成長していますね。
「いつも言いますが、どんな選手もヨーロッパに行けば成長しますから」
――日本代表は交代選手が出ましたが…。
「第4審が間違えているようだね(笑)」
――中島翔哉と山口蛍が入り、伊東と遠藤が下がります。中島は左に入り、原口が右に回りました。
「結果はほぼ決まったなかで、蛍は安定した守備ができる選手だし、中島はカウンターやボールキープでチャンスが作れると思います」
「チームにとって自信になる」
――スコアはそのまま2-0で終わり、日本代表は2次予選4連勝としました。
「前回のワールドカップ2次予選も失点0でグループ1位だったので、今回もそうしてほしい」
――今日の試合は久保や堂安が帯同せず、中島もスタメンを外れましたが、代わって入った選手はどうでしたか?
「難しい環境の中で勝ち点3を取れたのは、間違いなく簡単ではなかったので、監督も選手もサポーターもほっとしてると思います」
――試合を通じて日本代表はどうでしたか?
「全体的によかった。堂安や中島がスタメンではなく、久保もいない中でも勝つことができたのは、チームにとって自信になる。予選でも本大会でもいないときがあるかもしれない。今日の試合はそういう意味でも大事になると思います」
――今日は大迫や冨安もいませんでした。さらに、次のベネズエラ戦では大きくメンバーが変ります。
「いつも言いますが、公式戦と親善試合は違うので、次の試合は新しいことや選手を試すために使うと思います」
――本日もありがとうございました。次の試合もよろしくお願いします!
▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。