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勉強しなきゃダメ→勉強嫌い 子どもが思わぬ方向に育つ「裏の教育」とは

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「裏の教育」とは?
「裏の教育」とは?

 多くの親は子どもの能力を伸ばしたいと思っています。例えば、「勉強ができるようにしたい」「片付けができるようにしたい」「しっかりした生活習慣が身に付くようにしたい」などです。しかし、残念なことに、その思いが空回りしている人が多いのが実情です。これから、いくつか具体例を紹介したいと思います。

親の言動が大きく影響

 例えば、「歯磨きしなきゃダメでしょ。今度磨かないとおやつ抜きだよ」と叱っている人がいるとします。このように罰で脅して効果があるのは最初の1、2回だけで、すぐにマンネリ化して、子どもは言うことを聞かなくなります。

 その代わりに、全く別のものが身に付きます。それは、罰則型の言葉遣いです。つまり、子どもも兄弟や友達に対して、「○○しないと遊んでやらないよ」といった罰則型の言葉遣いをするようになるのです。これは日常生活で親が関西弁で話していると、子どももやがて、関西弁で話すようになる原理と一緒です。親が関西弁で話しているのに、子どもが東北弁で話すということはあり得ません。

 これと同じように、親が「何で片付けしないの。片付けしなきゃダメでしょ」「宿題やらなきゃダメだよ」などという「否定語」を使っていると、子どもも同じような否定語を使うようになります。つまり、親が「否定語弁」で話していると、子どもも「否定語弁」で話すようになるのです。

 本当は歯磨きや片付けを身に付けさせたかったのですが、それはかなわず、意図していなかったことが身に付いてしまうわけです。これを筆者は「裏の教育」と呼んでいます。本来意図していた表の教育は大抵の場合達成されず、意図していなかった裏の教育がかなり高い確率で実現されます。なぜなら、親が目の前で見本を見せているからです。これが「モデリング効果」といわれるものです。

 日本でも昔から、「子どもは親の言うことは聞かないけど、することはまねる」と言われてきましたが、実際にその通りのことが起こります。

 このような裏の教育はいろいろな面で起こります。例えば、忘れ物が多い子がいたとします。それを改善するのは簡単なことではありません。忘れ物を減らすには整理整頓・片付けの能力、自己管理力、意志力、先を見通す想像力、段取り力、注意力、集中力など、いろいろな能力を総合的に高めていく必要があります。そのため、長い目で見て、粘り強くサポートすることが大切なのです。

 しかし、親の中には「忘れ物をして自分が困れば直るだろう」と考えて、放置する人がたくさんいます。筆者はこれを「自業自得方式」と呼んでいますが、筆者の長年の教師生活において、これで忘れ物が減った例を一度も見たことがありません。大抵の場合、ますます忘れ物が増えるだけです。

 忘れ物をした子は授業への意欲が著しく減退し、学力の低下につながります。先生に叱られ、友達からの評価も下がり、本人の自己肯定感が下がります。そして、こんなに困っているのに何のサポートもしてくれない親に対して、不信感と愛情不足感を持つようになるのです。

 さらに、もう一つ問題なのは自業自得方式を身に付けてしまうことです。つまり、友達が何か困っていても助けなくなる可能性が高まります。例えば、休み時間に教室の中で、ある子が「リコーダーがない」と言って探しているとします。もう、音楽の授業が始まる時刻なので音楽室に行かなければなりません。

 親なら、「こういうときは友達のために一緒に探してあげられる子になってほしい」と思うはずです。しかし、自業自得方式を身に付けた子はそういう行動を取らなくなります。なぜなら、「助けない方がいい。自分が困れば、これからリコーダーをなくさないようにしっかり管理するようになるから」という発想をするようになるからです。

 つまり、自業自得方式では「忘れ物をなくさせたい」という表の教育を達成することはできず、「学力低下」「自己肯定感の低下」「親への不信感」「自業自得方式を身に付ける」などの裏の教育が実現されてしまうのです。

たたいてしつけると…

 次の事例は勉強に関してです。親はよく、「勉強しなきゃダメ」と叱りますが、これで子どもが勉強するようになることはあり得ません。それどころか、次の理由で勉強が嫌いになるだけです。

「○○しなきゃダメ」などの否定的な言い方をされると、誰でも不愉快になります。その否定的な言い方が不愉快なのです。例えば、「勉強しなきゃダメ」と言われると、子どもの脳の中でちょっとした勘違いが起こり、「勉強なんて不愉快。大嫌い」という認識をしてしまうのです。

 本来は勉強そのものを不愉快と感じたのではなく、親の言葉遣いを不愉快に感じたのですが、勉強に関して言われたため、「勉強は不愉快」と認識します。これが、脳科学でいうところの「脳の勘違い」というものです。

 同様に「片付けしなきゃダメでしょ」と否定的な言葉で叱られると「片付けなんて不愉快。大嫌い」となり、「妹と仲よくしなきゃダメでしょ」と叱られると「妹なんて大嫌い」と認識します。こうして、「勉強しなきゃダメ」という言い方で「勉強をさせたい」という表の教育を達成することはできず、「勉強を嫌いさせる」という裏の教育が実現されるのです。

 体罰についても同じことが起こります。以前、テレビ番組に出演したある親が次のようなことを言いました。

「しつけのためにあることを親子で約束し、それが守れなかったら、たたくということを親子で了解しました。『約束を守れないときはたたいてもいい』と子どもも納得したのです。その後、実際に約束を守れなかったときは子どもをたたきました。これの何が悪いのでしょうか?」

 親は自信満々でしたが、こういうやり方で、約束を守る子に成長させることはできません。それどころか、子どもはとんでもない理屈を身に付けてしまいます。それは「正しい理由があればたたいていい」ということです。しかし、正しい理由なんていくらでも見つけられるわけです。「相手のため」「仲間を守るため」など、いくらでも理由は見つけられます。

 よく、「たたかれて育った子はたたく子になる」と言われますが、教育や保育の現場では、こういう事例は実によく見られるのです。本当は「どんな理由があってもたたいてはいけない」と教えなければならないのです。「しつけ」と称して、たたいている親が子どもにそれを教えることはできません。

 このようなわけで、「勉強しなきゃダメ」という言い方で「勉強をさせたい」という表の教育を達成することはできず、「勉強を嫌いさせる」という裏の教育が実現されてしまうのです。同様に、たたくことで「しつけをしたい」という表の教育を達成することはできず、「正しい理由があればたたいていいと勘違いさせる」という裏の教育が実現されます。

 いろいろな具体例を紹介しました。ぜひ、裏の教育という言葉を頭に入れておいて、子どもを思う気持ちが空回りしないようにしてほしいと思います。

教育評論家 親野智可等

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