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最も日本代表に近い高校生、三國ケネディエブス。青森山田から福岡へ。規格外のCBが描く青写真

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青森山田高校の三國ケネディエブス【写真:Getty Images】

青森山田高校の三國ケネディエブス【写真:Getty Images】

第97回全国高校サッカー選手権大会は12日に準決勝が行われる。2大会ぶりの優勝を狙う青森山田には身長192cmのセンターバックがいる。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ三國ケネディエブスは指揮官も最大級の期待を込める逸材だ。J2アビスパ福岡入りも内定している三國は自らの将来にどのような青写真を描いているのか。(取材・文:藤江直人)

かつてはストライカー。なぜCBに転向したのか?

 第97回全国高校サッカー選手権大会は12日に準決勝が行われる。2大会ぶりの優勝を狙う青森山田には身長192cmのセンターバックがいる。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ三國ケネディエブスは指揮官も最大級の期待を込める逸材だ。J2アビスパ福岡入りも内定している三國は自らの将来にどのような青写真を描いているのか。(取材・文:藤江直人)

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 遠く中東の地でアジアカップを戦っている森保ジャパンのメンバーでは、司令塔の柴崎岳(ヘタフェ)と右サイドバックの室屋成(FC東京)。1995年の監督就任以来、総勢29人もの教え子をプロの世界へ送り出してきた青森山田の黒田剛監督が、最大級の期待を込める選手がいる。

「身長が190cmを超えるセンターバックは、いまの日本代表でもいないですよね。足も速いし、能力的には最も日本代表に近いポテンシャルをもっている。海外へ行っても通用すると思っています」

 指揮官の視線の先には身長192cm体重80kgのビッグサイズを誇る、センターバックの三國ケネディエブス(3年)がいる。ナイジェリア人の父と日本人の母をもち、東京都東村山市で生まれ育った逸材はプロになる夢をかなえるために、中学への進学とともに青森の地へやってきた。

 小学生時代に所属した東京NOBIDOME FCでは、すでに180cm近かった高さを武器とする大型ストライカーとして活躍。青森山田中学でもポジションは変わらず、3年次の夏に出場した全国中学校サッカー大会では8ゴールをあげて得点王を獲得。チームを優勝へと導いた。

 しかし、青森山田高へ進学し、1年あまりが過ぎたころには考え方に変化が生じてくる。卒業後にJリーグの舞台でプレーする姿から逆算したときに、どうしても自分自身の現在地とシンクロしなかった。

「2年生になる前の春の遠征では、フォワードとしてまったく結果を出せなかった。プロになる夢をかなえることを考えたときに、2年生から公式戦に出られないようならば厳しいと考えていたし、このままではダメだ、何かを変えようと思って。自分は身長もあったので、ならばセンターバックだ、と」

規格外のボディに宿るポテンシャル

 最前線から最終ラインへの配置転換を志願した三國を、黒田監督も笑顔で受け入れた。誰よりも指揮官自身が「プロになるのならば、フォワードではちょっと厳しいかな」と考えていたからだ。

「おのずと、というか、いずれはセンターバックのほうが、という思いがあったので。本人もセンターバックでやりたいと言い出したし、たまたまいいタイミングだったのかな、と思っています」

 2年次の初夏に行われた東北大会で、センターバックとして再デビュー。その後はゴールがほしい試合展開で、パワープレー要員として最前線へあがる「二刀流」を務めながら、センターバックとしての基礎を習得。3年次からはセンターバックのレギュラーとして一本立ちした。

 体の動きや考え方を180度変えたのは、自慢のヘディングを見舞うときだった。ストライカーなら相手のセンターバックとの競り合いが求められるが、センターバックならば遠くへ弾き返すプレーがまず求められる。先輩選手やコーチに何度も尋ねながら、自分だけのストロングポイントを磨きあげてきた。

「一番練習したのはヘディングですね。フォワードの競り合いと、センターバックの競り合いはまったく違うので。ただ、実際にプレーしてみると、センターバックのほうがはるかに有利だと感じているし、だからこそ絶対に負けられない、という思いもある。身長が高い分、競り負けたら周囲からの視線もちょっと厳しいものになってくるので、いまはプライドと緊張感をもちつつプレーしています」

 森保ジャパンの最長身、189cmのセンターバック吉田麻也(サウサンプトン)をしのぐ、規格外のボディに宿るポテンシャルが急速に解き放たれていくたびに、三國への評価も右肩上がりの軌跡を描く。そして、インターハイ開幕を直前に控えた昨年7月18日、卒業後のアビスパ福岡加入が発表された。

「センターバックへ正式に転向して、周りの方々から教えてもらったことを吸収して、成長できたからこそ夢だったプロという道へ進めると思っています」

なぜJ2のアビスパ福岡入りを決めたのか?

 感謝の思いを忘れない三國は、Jリーガーを中心とするU−19日本代表が臨んだ、昨秋のAFC・U−19選手権にも唯一の高体連所属選手として招集された。ますます期待が膨らむ一方で、素朴な疑問も残る。

中学時代からの盟友で、3年次の全国中学校サッカー大会では三國と得点王を分け合ったMF檀崎竜孔(だんざき・りく)はJ1クラブへの練習参加を続け、9月になってJ1の上位につけていた北海道コンサドーレ札幌への加入が内定した。

 一方のアビスパは三國の加入が発表された時点で、首位の松本山雅FCから勝ち点2ポイント差の5位につけていた。J1昇格への可能性を大いに残していたとはいえ、黒田監督をして「最も日本代表に近いポテンシャルをもっている」と言わしめる逸材は、J1クラブ入りを考えなかったのだろうか。

 疑問を単刀直入にぶつけてみると、アビスパ入りは黒田監督、そして三國本人が強く望んだことがわかった。理由を尋ねられた黒田監督は苦笑いしながら、現役時代は「アジアの壁」として対戦相手から畏怖された、アビスパの井原正巳前監督の名前を挙げた。

「ちょっと状況が変わってしまったんですけど、井原さんがセンターバックでしたから、井原さんのもとに預けようと思ったんです」

 日本代表として歴代2位となる、国際Aマッチ通算122試合に出場。日本が悲願のワールドカップ初出場を果たした、1998年のフランス大会ではキャプテンを務めた井原氏は、2015シーズンにアビスパの監督に就任。その年のJ2で3位に入り、チームを5年ぶりのJ1昇格へ導いた。

 残念ながら1年でJ2へ降格してしまったが、一方でアビスパのU−18所属だった冨安健洋を、2種登録された2015シーズン、飛び級でトップチームへ昇格させた2016シーズン、J2の舞台で主力として定着した2017シーズンと3年間に渡って指導。センターバックとして一本立ちさせた。

井原監督の退任でもブレない青写真

 海外志向が強かった冨安は、2018年1月にオファーを受けたシントトロイデンVV(ベルギー)へ移籍。2年目となった今シーズンはセンターバックとしてレギュラーを獲得し、船出した昨年9月から森保ジャパンにも継続的に招集されてきたなかで、井原氏への感謝の思いを何度も口にしてきた。

「ゴール前で体を張り続けろ、気持ちでは絶対に負けるなと常々言われてきました。ベルギーでプレーする今でも、最後は体を投げ出してでも守る部分に生きています。本当に偉大な方です」

 センターバックの大先輩のもとでイズムを叩き込まれながら、冨安のように大きく羽ばたいてほしいという思いも込めてアビスパへ送り出した。もっとも、昨シーズンのJ2を戦い終えた後に状況が激変する。最終的に7位に終わり、J1昇格を逃した責任を取る形で、井原氏が監督を退任したからだ。

 井原氏はネルシーニョ監督が復帰した柏レイソルのヘッドコーチに就任。アビスパの新監督には2017/18シーズンでセリエAのエラス・ヴェローナFCを率いた、イタリア人のファビオ・ペッキア氏の就任が決まったが、黒田監督と三國が未来へ向けて描く青写真は変わらない。

「試合数が多いJ2のほうがより試合に絡めるかな、というところも含めてですね。ケネディ本人もその意向ですし、井原さんがいなくなったことはありますけど、(プロの世界では)監督が代わることはよくあるので。そこはブレることなく頑張ってほしいと思っています」

 冨安はJ2でプレーした2017シーズンで35試合に出場。長丁場の厳しい戦いのなかで急成長を遂げ、シントトロイデンからのオファーを勝ち取った。センターバックとしての経験値がまだまだ浅い三國に何よりも必要なのは、真剣勝負のピッチでもまれることだと黒田監督は将来を見すえる。

「性格的にちょっとギャンブラーなんですよ。身体能力がすごく高いから、それを過信しすぎてポジショニングが甘くなることがあるので、そこを自分のなかでコントロールできるように。だいぶよくなってきたけど、もっともっと勉強と経験を積み重ねながら、フル代表のセンターバックを狙っていってほしいですね」

目標はセルヒオ・ラモス。東京五輪出場も視野に

 初めてセンターバックとして臨んでいる、最後の全国高校サッカー選手権。大津(熊本)との3回戦は188cmの大崎舜(3年)、矢板中央(栃木)との準々決勝では191cmの望月謙(3年)と長身ストライカーとマッチアップした三國は、闘争心をむき出しにしながら相手のキーマンを封じ込めてきた。

「いまではセンターバックのほうがはるかに楽しいですね。一番の醍醐味は相手からボールを奪取する瞬間ですね。あとは自分がリーダーシップを取って最終ラインをコントロールしているので、自分が考えたコーチングで相手をはめて、ボールを奪うことも。

 攻撃でもたとえばセットプレーの場面では、自分がニアでボールに触れれば得点になる確率が高い。相手も常に2枚ついてくるので、自分の背後が空くことも多い。自分がボールに触れなくても、相手をつることも考えています」

 2年ぶり2度目の全国制覇まであと2勝。舞台を埼玉スタジアムに移して行われる12日の尚志(福島)との準決勝、その先に待つ14日の決勝をともに制し、集大成となる高校日本一を手土産にプロの世界へ挑みたいと三國は静かに闘志を高めている。

「プロを見すえたなかで、この選手権で自分がどれだけ力を発揮できるかが、優勝を勝ち取るうえでカギを握ってくる。相手のエースストライカーと呼ばれる選手には、絶対に負けたくない」

 目標として掲げる選手は、レアル・マドリーおよびスペイン代表の最終ラインに君臨するセルヒオ・ラモス。攻守両面で個の力をさらに発揮できるように、将来的には体重を最低でも10kgは増やし、東京五輪出場も視野に入れながら、空中戦でも地上戦でも無敵を誇るセンターバックへの階段を駆け上がっていく。

(取材・文:藤江直人)

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