築城基地にC-2輸送機は配備されていません。
「装輪戦車」こと16式機動戦闘車の空輸訓練
防衛省・自衛隊は2023年11月10日(金)から11月20日(月)までの日程で「令和5年度自衛隊統合演習」を実施中ですが、そのなかで福岡県に所在する航空自衛隊 築城基地が公式X(旧Twitter)を使って統合演習ならではといえるような訓練の様子を公開していました。
それは11月17日(金)に投稿されたもので、内容は航空自衛隊のC-2輸送機に陸上自衛隊の16式機動戦闘車を搭載するというもの。築城基地のエプロンで、航空自衛隊の隊員による誘導のもと、16式機動戦闘車はバックでC-2の機内へ入っていきます。そして機内へ入ると、鎖で重量物を固定する「チェーンブロック」を使って、しっかりと固縛されていました。
航空自衛隊のC-2輸送機に積載される陸上自衛隊の16式機動戦闘車(画像:航空自衛隊)。
すでに、2022年の日米共同演習などでC-2輸送機を用いた16式機動戦闘車の輸送は報道公開されていますが、それらはあくまでも外観のみです。一方、今回の航空自衛隊 築城基地の投稿では、16式機動戦闘車を積載したC-2輸送機の機内も公開されたのが特徴といえるでしょう。
16式機動戦闘車は、74式戦車などに比肩する攻撃力を有するタイヤ駆動の戦闘車両で、いわゆる「装輪戦車」です。重量は26tあり、戦車と比べると軽量ではあるものの、これまでの陸上自衛隊の装輪装甲車、87式偵察警戒車(重量15.0t)や96式装輪装甲車(同14.5t)と比べると倍近くもの重さになります。
国産の装輪装甲車としては、かなりの重量級車両といえる16式機動戦闘車ですが、航空自衛隊のC-2輸送機は同車や、より長尺な「ペトリオット」地対空ミサイルの発射機(牽引車付き)などを積載できるように設計されているため、空輸が可能です。
なお、C-2輸送機は築城基地には配備されておらず、2023年現在は鳥取県の美保基地と埼玉県の入間基地、これら2か所であるため、統合演習を実施するために飛来した機体の模様です。