相鉄線との直通を控える東急目黒線では、ホームや車両などを現行の6両から8両対応にする工事の真っ最中です。ただ同線で使われる3000系電車は、登場してから9か月ほどは8両編成でした。
中間車製造中の東急3000系 もともと「8両」
2022年度に予定されている、東急目黒線と相鉄線の相互直通運転。乗り入れ車両は8両編成とすることが決定しており、相鉄側では新型21000系電車(8両編成)が2021年9月にお目見えしたほか、東急側では現行の6両編成対応ホームを2両分延伸する工事が行われています。
目黒線の車両にも同じく、新型3020系電車を除いて2両分を増結する工事が行われています。3000系電車と5080系電車です。どちらも目黒線の主力車両として、長らく6両編成で使われてきました。ところが車齢の古い3000系のうちたった1本だけ、かつて8両編成で走った編成があります。
東急目黒線の3000系電車3001編成。量産先行車であるこの編成は、登場時は8両編成を組み東横線で使われた(2021年10月、大藤碩哉撮影)。
それは3001編成で、1999(平成11)年3月に登場しました。当時、目黒線は前身の目蒲線として4両編成の電車が走る路線でしたが、3001編成は翌2000(平成12)年8月の目黒線開業に備えて新造されました。
量産先行車として、それ以降の編成よりも一足早くデビューした3001編成は、1999年4月から8両編成を組んで東横線で使われました。現行より2両長かったわけです。9か月ほど営業運転が行われたのち、3001編成はいよいよ開業する目黒線用に組成変更が実施され6両編成になりました。抜かれた一部の中間車両は、その後登場した3002編成に組み込まれています。
それから20年あまり。相鉄線との直通に向け、3000系の中間車両が新造されています。外観には、従来車両とはやや異なる点が見受けられるものの、形式はれっきとした「3000系」。直通運転が開始されれば、22年ぶりに3000系の8両編成が「復活」する見込みです。