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ほ、本物なの!? 超有名デコトラ「一番星」はまだ現役!! 誕生から半世紀…その紆余曲折とは

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銀幕スターだったデコトラ「一番星号」

 デコトラ(デコレーショントラックの略)とは独特の雰囲気でドレスアップされたトラックのことを指します。そしてその存在を一躍有名にしたのは1975年に公開された映画「トラック野郎」のヒットでした。

Large figure1 gallery2 映画「トラック野郎」シリーズで主人公のデコトラとなった「一番星号」(布留川 司撮影)

 本作では登場人物の多くがトラックドライバーであり、それぞれが個性的なデコトラに乗って出演していました。

 主人公である星桃次郎(演・菅原文太さん)乗るデコトラ「一番星号」はその中でも特に注目を集め、その人気はデコトラの存在を広く世間に知らしめました。そんな昭和映画の銀幕のスターでもあったデコトラ「一番星号」ですが、実は映画初出演から半世紀近くたった令和の現代でも現存して走り続けています。

「一番星号」はもともと映画を制作した東映が所有していましたが、現在のオーナーはデコトラの親睦団体「全国哥麿会(うたまろかい)」の会長である田島順市さんです。2025年12月31日の大晦日には、同会主催の年越しイベントが埼玉県深谷市の利根川河川敷で行なわれ、「一番星号」も会場に展示されました。

 車体には一般的にイメージするデコトラそのまま体現したかのようなドレスアップが全面に施されており、デコトラやカスタムカー文化に興味をもたない一般人でも、実物を見れば目を奪われるほどの存在感があります。

 しかし、この「一番星号」はずっとこのままの状態で残っていたわけではなく、映画撮影後にはさまざまなオーナーの手を渡り、その過程で映画が放映された当時の見た目は失われていました。

 現在の姿はその後のレストア作業の成果であり、このトラックが銀幕のスターだった頃の姿を取り戻すには多くの時間と労力が必要でした。

じつは主役トラックとしては2代目

 映画「トラック野郎」は1975年から1979年の間に全部で10作品が制作されましたが、劇中に「一番星号」として登場したトラックは2台ありました。

Large figure2 gallery3 「一番星号」の側面。塗装や飾りは映画の最終作品である「トラック野郎 故郷特急便」出演時のものを目指してレストアされた(布留川 司撮影)

 映画は1作目が制作された時点ではシリーズ化の構想はなく、低予算のために最初の「一番星号」は安い中古車を購入して造られました。

 しかし、2作目以降はシリーズ化のために予算も増額され、程度の良い新古車が新しく購入されたのです。二代目「一番星号」のベース車両は三菱ふそう製のトラックFU113の1975年式モデルで、デコトラとしての飾り品や塗装は作品ごとに変化していますが、2作目の「トラック野郎 爆走一番星」から最終作品の「トラック野郎 故郷(ふるさと)特急便」まで同じ車両が使われ続けました。

 映画撮影終了後、トラックは東映から売却され複数のオーナーの手を渡り歩きました。映画の人気から商店の前に看板代わりに置かれたこともありましたが、この時にいたずらやパーツの窃盗で廃車状態になります。

 その後、スクラップ処分されそうになったところを、次のオーナーが購入して、走行状態にまでレストアされました。しかし、業務で使うために映画時代のデコトラの姿に完全に修復されることはなかったそうです。

 一時期は日本の中にデコトラブームを巻き起こしたスター的なトラックも、時代とともに衰えるようにその姿を変えていったのです。その後、「一番星号」はトラックとして走ることもなくなり、長らく人の目に触れることなく保管されることになります。

 そんな「一番星号」に転機が訪れたのは2015年頃で、前オーナーが「全国哥麿会」会長である田島さんと出会ったことがきっかけでした。デコトラの親睦団体の会長であれば、この歴史あるトラックを大事にしてくれるという思いから「一番星号」を譲渡。そして、「全国哥麿会」によって往年の映画時代の姿を取り戻すためのレストア作業が開始されます。

現在もイベント車として活躍中

「一番星号」は出演作品ごとに飾りや塗装が変わっていましたが、レストアで目標となったのは最終作品「トラック野郎 故郷特急便」でした。映画出演時の姿に近づけるために、撮影当時に「一番星号」の塗装のデザインをした元東映の美術監督だった桑名忠之氏に連絡を取り、レストアの塗装作業に監修に入ってもらったそうです。

Large figure3 gallery4右側面のコンテナに書かれた主人公の名前「桃次郎」の文字(布留川 司撮影)

 また、電飾や飾り品のパーツはワンオフ(オーダーメイド)で製作したほか、内装などは全国の映画、デコトラファンからパーツの譲渡などもあったそうです。

 ベース車が1975年モデルという旧車だったこともあり、5年にも及び長い作業期間(同時に費用も)が掛かりましたが、その結果、『一番星号』は銀幕スターだった頃の姿を取り戻し、現在まで維持されています。

 田島氏も「これ(一番星号)が残らなければ、この後ってことはない。これがあるから、みんなもデコトラをやろうって気になる」と話しており、「一番星号」は日本のデコトラ文化のシンボルとして、今後も走り続けることでしょう。

「一番星号」現在、業務車としては使われていませんが、「全国哥麿会」の看板車として同団体のイベントやチャリティー活動に積極的に参加しています。「全国哥麿会」に関連したイベントに行けば、このデコトラ会の伝説ともいえる一台に出会えるかもしれません。

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