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箱根・芦ノ湖「あんなデカい船どこから持ってくるの?」60周年の“海賊船”の場合は

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箱根の芦ノ湖といえば、ひときわ目立つ海賊船型の観光船が有名です。しかしここで素朴な疑問が。一体あの大型海賊船は、こんな山奥までどこから運びこんだのでしょうか。

ホントにどうやって持ってきてるの?

 深い山々に囲まれた箱根の芦ノ湖には、大小様々な船が浮かんでいますが、その中でもひときわ目を引くのが、小田急グループの箱根観光船が運営する「箱根海賊船」です。この海賊船は何度か代替わりなどを行い、2024年7月で就航60周年を迎えました。

Large 241008 asi 01箱根海賊船で現在最新の船である「クイーン芦ノ湖」(画像:箱根観光船)。

 10月8日から10月22日までは箱根ジオミュージアムで、箱根海賊船の写真展示イベントも開催されていますが、そもそも大きな謎が。こんな大きさの船をどこから運び、浮かべたのでしょうか。

 例えば2024年現在、箱根海賊船が運行している船の中で最新の「クイーン芦ノ湖」は、総トン数318トン、全長35m、全幅10m、541人を乗船させることが可能な、山奥の湖では不釣り合いなほど巨大な船です。スワンボートや小型船なら陸路での輸送は可能ですが、このような大型船は不可能でしょう。

 この輸送の謎についてですが、箱根観光船によると、芦ノ湖にある3つある港のうちのひとつ、桃源台港の乗り場に秘密があるようです。実はこの乗り場の近くには、船のドックがあり、そこで船の最終的な組み立てが行われます。

「クイーン芦ノ湖」の場合、船の建造を担当したのはJMU(ジャパンマリンユナイテッド)ですが、船体をいくつかに分割した状態のものを横浜事業所鶴見工場で建造。その部品を大型トレーラーで芦ノ湖湖畔の工場に運び込み、現地で船体の接合や艤装工事を行う工法が取られました。

 この工法はブロック工法と呼ばれ、第二次世界大戦中アメリカで大量建造された輸送船である「リバティ船」を建造する際に採用され、戦後は、造船における主流な工法になりました。

 ドックで建造された観光船は、芦ノ湖で進水し、試験航行をした後、就航することになります。なお、芦ノ湖のドックは船体を組み立てる場所としてではなく、メンテナンスを行う施設としても機能しているようです。

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