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先端が「T」字状の戦車砲 なぜ最近見ない? 名前は「マズルブレーキ」 その効果とは

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戦車の100年にわたる歴史において、その砲の形もずいぶんと変化しました。昔の戦車といまの戦車の砲で大きく異なるもののひとつが、先端にT字状のパーツがあるかどうかでしょう。かつては広く見られたあの「T」の正体に迫ります。

昔の怪獣映画や戦争映画で見る戦車砲の先端のT字は何?

「戦車の絵を描いてください」と突然、人に話を振ったとします。このとき、特に60年代から70年代の怪獣映画や戦争映画を幼少時代に観ていた、あるいはその時代の映画のファンであるという人は、高確率で先端にT字の造形物を持った砲を描くのではないでしょうか。あの造形物、もちろん飾りではなく、用途があります。名前を「マズルブレーキ」といいます。

Large 200206 muz 01陸上自衛隊の61式戦車。砲の先のT字状のパーツがマズルブレーキ(柘植優介撮影)。

 このマズルブレーキは、日本では「砲口制退器」とも呼ばれる部品で、字面でなんとなくわかるとは思いますが、砲や銃の反動をコントロールするものです。おもな役目は、射撃時の、銃の反動や砲の後座(射撃時の火薬ガスの圧力により、砲そのものが受ける反動のこと)距離を抑制することにあります。

 20世紀に入ってから大砲は大幅に進化しており、「駐退機」と呼ばれる、砲身のみを後退させる構造が一般的になっていました。この構造の大きなメリットは、砲身以外が発射の反動で後退しないことです。

 駐退機のおかげで「速射砲」と呼ばれる発射速度の速い火砲や、戦車に搭載できる戦車砲が生まれた訳ですが、砲身や口径を大きくすればするほど、砲弾を発射する装薬量も多くなるので、そのぶん後ろに砲身が後退する後座距離も長くなってしまい、反動を抑えるため砲自体を重くしなくてはならないという問題がありました。

 これを解決するため、砲の先端部分にあらかじめ穴を空けておいて、反動の原因となる装薬の燃焼ガスを、砲口ではなく側面や上下に逃がそうという考えが生まれました、これがマズルブレーキです。

 ちなみに、なぜ昔の怪獣映画や戦争映画にT字のマズルブレーキを持った車両が多いかというと、自衛隊の61式戦車や、アメリカ軍ほか多数の国で使われたM48「パットン」戦車など当時、使用されていた戦車にT字のマズルブレーキが採用されており、西側諸国のトレンドともいえる形だったからです。

戦車砲だけじゃないマズルブレーキ 禁酒法時代のシカゴでも

 マズルブレーキは、戦車砲よりも先に火砲に採用され始めました。たとえば、戦間期の1931(昭和6)年に改修措置が施されたソビエト連邦のM1910/30 107mmカノン砲や、1934(昭和9)年にスウェーデンのボフォース社が開発したボフォース 37mm対戦車砲などが、マズルブレーキを装備した初期の火砲として知られています。

 また銃器においても、このマズルブレーキが禁酒法時代(1920〈大正9〉年から1933〈昭和8〉年まで)のアメリカで注目されます。

Large 200206 muz 02ドラム式弾倉付きトンプソン・サブマシンガンを手にするウィンストン・チャーチル元イギリス首相。銃口の膨らんだ部分がマズルブレーキ(画像:帝国戦争博物館/IWM)。

 酒の密造や密輸で巨万の富を築いた当時のマフィアやギャングは、短機関銃であるトンプソン・サブマシンガンを愛用し、これは「シカゴタイプライター」などと呼ばれ彼らの代名詞ともなりました。しかし、一般に流通し始めた初期モデルは反動が激しく、わずか15mの距離で乱射したにもかかわらず、不意打ちした相手に1発も当たらなかったという逸話もあるそうです。

 そこで1926(大正15)年、「コンペンセイター」と呼ばれるマズルブレーキの一種が開発され、ガスの一部を上方へと逃がすことで、銃身のブレを抑えることに成功。命中精度は劇的に改善され、同銃は1930年代には犯罪組織のみならず、警察までが持つ武器となり、第2次世界大戦では軍用としても使用されることになります。

戦車のマズルブレーキはなぜ装着され、消えたのか

 戦車にマズルブレーキが一般的に搭載されるようになったのは、戦車砲の大口径化が進んだ第2次世界大戦中で、ドイツのIV号戦車F2型やティーガーI、イギリスのシャーマン ファイアフライ戦車の砲の先端などを見ればわかりやすいのではないでしょうか。

 戦車砲を大型化するということは炸薬の影響により後座距離も長くなるので、できるだけ砲塔内のスペースを確保するためにも、ガス圧を逃がすマズルブレーキの存在は必要不可欠だったわけです。しかし、ガスを大量に、広い範囲に噴射するため、隠密性を重視したドイツの駆逐戦車では、あえて採用しない車両もあったようです。同じ場所で射撃を続けると、ガスで視界がさえぎられることも問題でした。

 大砲や戦車の火力増に影響を与えたマズルブレーキですが、自衛隊の10式戦車やアメリカのM1「エイブラムス」戦車など、現在の戦車には見られません。これらには「エバキュエーター(排煙器)」と呼ばれる装置がついていて、マズルブレーキの代わりを果たすとともに、排煙を目立たないようにしています。たとえばM1戦車の場合、砲身の途中に見える膨らみがこれにあたります。

Large 200206 muz 03在韓アメリカ軍のM1A2「エイブラムス」戦車。砲の中ほどの膨らんだ部分がエバキュエーター(画像:アメリカ陸軍)。

 2020年現在の戦車は一部を除いて、それまでの、砲身の内部にあるらせん状の溝で砲弾を回転させて弾道を安定させる「ライフル砲」ではなく、砲弾の改良と共に溝の切られていない「滑腔砲」と呼ばれるものになり、その発射の機構に合わせて排煙の機構も変わっています。「滑腔砲」の場合、たとえばロシアの「T-14」のように、そもそもエバキュエーター自体存在しない戦車もあるようです。

 なお火砲や銃器では、マズルブレーキは現役です。映画や演習の映像などで、砲や銃の先端に注目してみると、面白いかもしれません。

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