昼食時や夕食時にラーメンを食べる人は多いと思います。ラーメンはしょうゆやみそ、豚骨など、さまざまな味があるほか、比較的手軽に食べられるため、つい月に何度も食べてしまうことはありませんか。ラーメンを食べ過ぎた場合、どのような健康リスクが考えられるのでしょうか。ラーメンを食べる際の注意点やラーメンと一緒に摂取するとよい食材などについて、管理栄養士の松田加奈さんに教えていただきました。
女性の場合はセルライトがつきやすくなる
Q.ラーメンを食べ過ぎると健康上、どのような影響が考えられますか。
松田さん「ラーメンは、塩分がとても高いのが特徴です。1日の塩分摂取量の目安は7グラムと定められていますが、ラーメン一杯には6~8グラムの塩分が含まれています。ラーメンの種類によっては塩分が10グラムを超えているものもあり、ラーメン一杯で1日の摂取量の目安を上回ることもあるのです。そのため、塩分の取り過ぎでむくみを引き起こしてしまいます。
また、ラーメンはカロリーが非常に高いです。特にこってりしたラーメンだと1000キロカロリーを超えるものもあります。1日の摂取カロリーの目安は男性が2000~2400キロカロリー、女性が1400~2000キロカロリーなので、ラーメンの食べ過ぎはカロリーオーバーにつながります。そのため、糖尿病や高血圧などのリスクが生じるのです」
Q.では、ラーメンを食べる際の注意点について教えてください。毎日食べる人もいるようですが、問題はないのでしょうか。
松田さん「先述のようにラーメンはカロリーが非常に高いため、毎日食べ続けると肥満のリスクがあります。また、ラーメンを食べると血糖値がすごく上がるので、眠気や疲労感が生じることもあるでしょう。
さらにラーメンは塩分と脂肪分が多く、特に女性の場合はセルライトがつきやすくなってしまうので注意する必要があります。セルライトとは、肥大した脂肪細胞に老廃物がまとわりついて凝り固まり、肌がデコボコになってしまうというものです。女性は筋肉量が少なく、運動していないと代謝も悪くなるので、老廃物が滞ってセルライトがつきやすくなります。
健康やダイエットの面でもラーメンを食べる頻度は少ない方がよいため、毎日食べるのは避けましょう。食べるなら月に2~3回程度が望ましいです」
Q.ラーメンを食べる際に一緒に摂取した方がよい食べ物や飲み物はありますか。バナナには塩分排出効果があると聞いたことがありますが、本当でしょうか。
松田さん「野菜を先に取ることで糖質が吸収されにくくなるので、ラーメンを食べる際は野菜も摂取するのがお勧めです。メニューに野菜がなく、摂取が難しい場合は砂糖不使用の野菜ジュースを飲むとよいでしょう。
また、お茶を飲むのもお勧めです。緑茶や麦茶には血糖値の急な上昇を抑える効果があり、利尿作用があるのでむくみ対策にもなります。ルイボスティーには脂質の消化をサポートする効果や整腸作用があり、太りにくくなるのでダイエットをしている人にお勧めです。また、さゆにレモンを入れるのもよいでしょう。クエン酸が食べ物の消化を助け、消化が促進されます。
バナナはカリウムが多いので塩分の排せつ効果はありますが、カロリーが高くて消化が早いので太りやすいです。カリウムは納豆やリンゴ、ミカンにも入っているので、それらの食べ物でカリウムを摂取するとよいでしょう」
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ラーメンはカロリーが高く、塩分や脂肪分が多いので、毎日食べるのは体に悪いことが分かりました。ラーメンは楽しみとしてたまに食べる程度にとどめ、食べる際は野菜やお茶なども一緒に摂取しましょう。
オトナンサー編集部