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寂しいけど仕方ない――東京の再開発ラッシュを眺め、僕は50年後に思いをはせる

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王子駅前にあった「幻のような飲み屋街」

 2019年12月某日、僕は、JR王子駅近くの「さくら新道」にあるスナック「まち子」で、ひとり飲んでいました。

「さくら新道」の様子(画像:パリッコ)

 さくら新道は、王子駅のホームと「飛鳥山公園」(北区王子)の隙間にある、小さな小さな幻のような飲み屋街。往時は20軒以上の店が営業していたそうですが、2012年の5月に火事があり、3軒あったうち2軒の長屋が焼けてしまい、その景色が一変してしまいました。

 それからわずかに残っていた数軒の飲み屋も次々と店をたたみ、今は「まち子」ただ1軒が残るのみ。そのまち子も年内で閉店してしまうといううわさは、飲み友達から聞いていました。ずっと気になっていて、やっと足を運べたのがつい先日。すると確かに、入り口に張り紙が貼ってあります。

「スナック まち子は、平成31年12月末日まで営業させていただきます」

 時代が令和に突入する前に、すでに2019年いっぱいでの営業終了が決まっていたことがわかります。どんなに混雑しているだろうと思いながら、ゆっくりとドアを開けると、意外にも先客はおらず。

 そういえば以前、「常連さんの多くが高齢になり、あまり遅い時間まで飲んでいる人はいない」と聞いたな。時間は20時を回っており、もうピークタイムは過ぎていたのか。おかげで久しぶりに再会したママと、ゆっくりお話をさせてもらうことができもした。

薄れていく人々の街の記憶

薄れていく人々の街の記憶

 50年以上もここでお店を切り盛りされてきたママだけど、相変わらずきれいでお元気そうなことに、まず一安心。

 やはり、行政からついにこの場所の立ち退き要請があり、ゴネるだけ損だろうと、閉店を決意したそう。たまらなく寂しいけれども、ママは現在、頼りになるお子さんたちに協力してもらって、新しく店を始められる物件がないかを探し始めているらしく、その話は大きな救いでした。

 帰り際、記念にお店で使っていたグラスをくださるというので、ありがたくいただき、会計をしてお店をあとに。振りかえり見ると、やはりこの時代に存在していることが奇跡的としか思えない風景。

「まち子」の店内の様子(画像:パリッコ)

 老朽化をはじめ、さまざまな問題もあるだろうし、長く歴史を刻んだとはいえ、多くの人にとっては、なくなってしまっても何も問題のない場所でしょう。「この貴重な風景をいつまでも保存してほしい」というような一部の酒飲みの思いは、常にかき消されます。

 さくら新道はこれからさら地となり、桜の木を植えて、隣の飛鳥山公園の一部のような場所になるそうで、そこに小さな飲み屋街があったことも、徐々に人々の記憶から薄れていってしまうのでしょう。

画一的な街になりそうな東京

 いよいよ2020年に開催の迫った「東京オリンピック」に向け、東京の街の再開発は過渡期を迎えています。

 渋谷駅前の、今や広大なさら地となっているまさにその場所に、僕のような場末好みの酒飲みにとって、渋谷最後のとりでともいえる存在だった、大衆立ち飲みの「富士屋本店」がありました。

再開発中の渋谷区・桜丘エリアの様子(2020年1月15日、ULM編集部撮影)

 大好きな立石の街にも、昭和から時が止まったままのような「新橋駅前ビル」にも、再開発の話が出ています。味わいの極地のような原宿駅舎も建て替えが決まっているというし。そうしてやがて、東京じゅうが、どの駅で降りても似たような風景の、画一的な街になっていってしまうのかもしれません。

足を運んでおきたい古い街並み

足を運んでおきたい古い街並み

 ただ、それが全面的に悪いことなのかといえば、僕にはなんとも言えません。そもそも、偉くて頭のいい人たちが一生懸命考えて実行していること。僕の意見なんて、単なる変人のたわ言。

 それに、誰だって自分の住んでいる街や家が老朽化し、それを新しくしてもらえるという話が出れば、乗っかりたいでしょう。「古い街並みを残しておいてほしい」なんて、そこに住んでいない部外者だから言えることです。

 以前、とあるインターネット放送の情報番組で「古い飲み屋街がなくっていくことの是非について討論してほしい」という依頼をもらったことがあります。ありがたいことに、たまにお酒がらみでTV番組などに出演させてもらうこともありますが、僕はそもそも頭が良くないので、そういうコメンテーター的な仕事については面目ないけれど断らせてもらっています。

 あくまで「酒を飲むだけでいいなら」という、われながら生意気なスタンスなのです。が、もしその番組に出演していたとして、きっとスタッフさんの意に沿うような発言はできなかったに違いありません。だって、「寂しいけどしかたないですよね……」としか言えないんだから。

 横浜に「都橋商店街」(横浜市中区)という2階建ての飲食ビルがあります。川に沿って湾曲した横長の建物で、そこにずらりと飲み屋やスナックが並び、それはそれはレトロで怪しい雰囲気。

横浜「都橋商店街」の様子(画像:パリッコ)

 けど実はここ、1964(昭和39)年に開催された前回の東京オリンピックに向け、街の景観を整えようと、周辺にごちゃごちゃとあった飲み屋を詰め込むことを目的として建てられたのだそうです。

 それが50年以上の時を経て、むしろディープなスポットになっていることを考えれば、今がピークともいえる東京の再開発後の姿も、50年後にどんな味わいとなっているかはわかりません。

 それに、長い長い宇宙の歴史を考えれば、人類の存在なんて、地球にとってはほんの1日ひいた風邪程度のものだろうし。って、そこまでいくともはや再開発どうこうの話じゃないか。

 とにかく僕が今思うこと。それは、都市の景色が変わりゆくのは避けられない。だからこそ、自分が好きだったり、興味があって、今も残っている古い街並みや店には、できるだけ足を運んでおこう。結局のところ、それだけです。

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