複合型体験エンタメ施設「アソビル」が横浜にオープン。埼玉出身としては、また横浜ばかり素敵な施設が......と内心うらやみながらプレスデーに伺いました。
横浜近辺の人が羨ましい
株式会社アカツキライブエンターテインメントが横浜中央郵便局別館をリノベーションした施設で、全フロアで3600坪という広大さ。しかも駅近というすばらしい施設で、一週間で来場者一万人突破したという噂も。
個人的には、ファッション系のテナントが入った商業施設だと服やアクセサリーで際限なくお金がなくなってしまうので、体験型施設は物欲が無駄に刺激されないのも大きなメリットです。
とはいえ、食欲は適度に刺激される施設。1階のポストストリートに行けば、崎陽軒のシウマイBARや、もうやんカレー、煮干蕎麦、DUMBO Doughnuts and Coffeeなどグルメの店が並んでいます。都内の他の商業施設ではなかなか見ないラインアップ。テナントを誘致した運営会社のセンスを感じます。
地下1階には「ピッチクラブ」という大人の遊び場的なバーラウンジがありました。ニューヨークの裏路地をイメージした部屋や、煩悩を表している的な108枚のパンツが額に入って飾られた部屋など、スノッブなムードが漂っていました。IT業界界隈ではダーツが最近流行っているのか、壁に投影して投げて遊べるプロジェクションマッピングダーツが部屋に設置。カラオケやボーリングの時代から、ダーツの再ブームが来るのでしょうか......。そこまでカロリーを消費せず、スマートに遊べるのも魅力です。
地下にバーラウンジがあったり、屋上にフットサルやバスケットができるスポーツコートがあったり、既存の商業施設の常識を打ち破るフロア構成。3階には国内最大級のものづくりマーケットがあって、日々ワークショップが行われているようです。
3DプリンターやUVプリンターといった最新機器も揃っていました。通いたいけれど交通の所要時間が......横浜近辺の人が羨ましいです。アソビルが成功したら、ぜひ各地にルミネやアトレのように作ってほしいです。
うんこブームの最終形態、うんこミュージアムで童心に......
そして2階には、脱出ゲームやVR、体験型のシアターなど、強力なコンテンツがひしめいています。中でも「うんこミュージアムYOKOHAMA」は、うんこをテーマにした異色のミュージアム。うんこ漢字ドリルもヒットしていましたが、日本人のこのところのうんこ好きはヤバいです。
こちらは入口に入ってすぐ、便器に座らされて、いきむところからスタート。理性や羞恥心が次第に取り払われ、気付いたら「うんこ」という単語を堂々と発せられるようになります。床に投影されたうんこを踏みまくるゲーム、全力で「うんこ~!」とシャウトしてうんこを大きくするゲーム、著名人によるうんこの絵のギャラリー、カラフルなうんこと写真を撮れる"映え"スペース、プロジェクションマッピングが投影されたウンコ・ボルケーノなど、うんこをあらゆる角度から楽しめる施設です。うんこがここまで人の創造力を刺激するものだったとは......。もはやカルチャーの1ジャンルです。
大人の遊び場=歓楽街、酒場、風俗、という価値観はもう古いのかもしれません。スマートでクリエイティブでアンチエイジングな施設、アソビルに、最先端の遊びを教えてもらったようです。
1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。