暑い時期は冷たい食べ物や飲み物を楽しむ人も多いと思いますが、冷たいアイスを口に入れた瞬間、歯に走る「キーン!」とした痛み、経験したことはありませんか? その痛み、もしかすると「知覚過敏」かもしれません。ある大規模調査によると、2人に1人(※1)が知覚過敏といわれており、これまで特に症状を感じていなかった人でも突然、歯がしみたり、痛みを感じたりすることがあります。
歯がしみる原因は多岐にわたりますが、日常生活の何気ない行動の積み重ねが引き金となり、あの“キーンとした痛み”につながることがあります。実は、食生活が原因となることもあるようです。どのような行動が原因となり、どうすれば症状を予防できるのか、症状が出たらどうしたらいいのか……そんな「知覚過敏」に関する素朴な疑問の数々について、知覚過敏ケアハミガキ「シュミテクト」を開発するHaleonジャパン研究員、金山晶さんに解説していただきました。
何気なく口にする“飲み物”が原因?
「知覚過敏」とは、歯の外側を覆う「エナメル質」がすり減ったり、歯茎が後退して「象牙質」がむき出しになったりすることで、冷たいものなどの刺激が歯の内側にある神経に伝わり、歯がしみたり、鋭い痛みを感じたりする症状です。以前は3人に1人(※2)といわれていましたが、最近の大規模調査では、2人に1人が知覚過敏といわれており、罹患(りかん)者数は年々増えてきている傾向にあると考えられています。
歯がしみるようになる要因はさまざまありますが、その大きな要因の一つは「食生活」です。特に、「酸性」の食べ物や飲み物はエナメル質を溶かす可能性が高いといわれています。罹患者数が増えてきている要因としても、私たちの食生活が変化し、健康によいとうたわれる酸性の食べ物や飲料水を好む傾向にあることが挙げられます。
要因となる可能性の高い「酸性」の飲食物には、私たちが何気なく口にする清涼飲料水やジュースはもちろん、ワインやウイスキーなどの酒、健康によいとされる果物やフルーツジュース、サラダドレッシングなども含まれます。意外と日常に潜んでいることがよく分かりますよね。
また、ストレスが原因となることも考えられます。ストレスを抱えていると唾液量が減る傾向にあり、歯の自然治癒(歯の再石灰化)が起こらなくなったり、自浄作用が低下し、歯周病が進むリスクも高まったりするからです。ストレスを抱えやすい働き盛りの世代(30代、40代)は歯がしみる症状を感じる人が多い傾向にあると、弊社の最新の大規模疫学調査(※3)で判明しています。
「酸性の食べ物・飲み物を好んでよく口にする」「ストレスを抱えている」の2点に当てはまる人は、特に注意が必要です。今、歯がしみていない人も、ある日突然「キーン」という痛みに襲われてしまうかもしれません。
「飲食が楽しめなくなった」人が7割も…
さて、そんな知覚過敏は、放っておくとどうなってしまうのでしょうか。
歯がしみる症状は、適切な口腔(こうくう)ケアによって自然と治っていく人もいますが、放っておくと負のスパイラルを起こし、痛みをより強く感じるようになってしまう人もいます。
突発的かつ一時的に起こる症状であるがゆえに、その症状を重要視せず、歯科医に相談しない人も多いのではないでしょうか。ある調査(※4)によると、知覚過敏が原因で「飲食が楽しめなくなった」と答えた人は70%にも上ります。
しみる症状を引き起こすのは、アイスなどの「冷たい食べ物」だけではありません。実は、「甘い物」を食べることで歯の痛みが生じてしまうこともあります。
歯がしみる症状により、「食べ方に気を付けなければならない」「年を取ったと感じる」など、生活の質(QOL)の低下を感じている人もいます。中には、水を含むだけで不快感や痛みを覚えてしまったり、最悪の場合、歯の神経を抜かなければならなくなってしまったりするケースもあり、早めに適切な対策をすることが重要です。
歯がしみるように…どう対処?
では、歯がしみるようになってしまったら、どのように対処すればよいのでしょうか。
歯がしみるのを感じたら、まずは歯科医の診断を受けることが重要です。自己判断で放置するのではなく、専門家のアドバイスを受けましょう。
次に、適切なセルフケアを行うことも大切です。先述したような酸性の飲食物を取り過ぎないことや、しみる症状に有効な成分が配合された歯磨き剤を使うことが効果的です。
知覚過敏ケアハミガキ「シュミテクト」には、従来製品に配合されている硝酸カリウムに加え、乳酸アルミニウムを新配合した歯磨き剤「シュミテクト プラチナプロテクトEXシリーズ」があります。しみるのを防ぐケア製品を初めて使用する人はもちろん、今までの磨き心地で物足りない人にもお使いいただけます。
残暑厳しい中、冷たいアイスやドリンクをまだまだ楽しむためにも、「もしかして知覚過敏かも?」と思ったら、適切な対策を行ってみてください。
※1)J Dent Res Vol 102(Spec IssB)
※2)Addy M. Int Dent J 2002; 52:367-375.
※3)J Dent Res Vol 102(Spec IssB)
※4)Baker S et al.J Dent Res 2013; 92 (Spec Iss A):
オトナンサー編集部