新駅直結、一等地のマンションが「有料老人ホーム」。首都圏初の開発が東急新横浜線の新綱島駅で行われました。どのような背景があるのでしょうか。
首都圏初の「駅直結有料老人ホーム」が11月末開業
東急不動産は2023年11月15日(水)、首都圏初の駅直結の住宅型有料老人ホームとなる「グランクレール綱島」の報道内覧会を開催しました。11月30日に開業します。
周辺の開発が進む新綱島駅。有料老人ホーム「グランクレール綱島」とは地下で直結する(画像:写真AC)。
「グランクレール綱島」は、2023年3月に開業した東急新横浜線の新綱島駅に地下1階で直結します。駅周辺では複数の再開発事業や都市基盤整備が進んでおり、その一環で建設される “駅ビル”に入居する居住部分ということになりますが、その一等地のマンションが“有料老人ホーム”というわけです。首都圏で駅直結マンションが増えるなか、異例の形態といえます。
新駅に直結する一等地にシニアレジデンスを展開する理由について、東急不動産の担当者は「現在は75歳以上の高齢者のうち、7割が元気な方です。元気な高齢者を対象とした住宅はまだ少なく、そこをターゲットにしています」と話します。
東急不動産グループが展開する住宅型有料老人ホーム「グランクレール」には、シニアレジデンス(自立高齢者向け住宅)とケアレジデンス(要介護者向け住宅)があります。今回開業する「グランクレール綱島」はシニアレジデンスです。
介護が必要になった場合、シニアレジデンスからケアレジデンスに移り住むことになります。「グランクレール」の入居者は長期間、東急不動産グループのサービスを受け続けることになるわけです。
駅ビルは地上12階・地下1階建て。1階から3階が生活利便施設、4階から12階が「グランクレール綱島」となります。隣接地には再開発ビルの「新綱島スクエア」があり、デッキで接続します。また、東急東横線の綱島駅方面にも、2028年度にデッキが整備される予定です。
ホテルか何か? 老人ホーム感はあるのか
施設ではDXを活用し、健康寿命を延伸するための運営サービスを提供する予定。入居者の利用状況をシステム上で把握し、栄養状況のフィードバックや健康相談を実施するほか、オンライン診療なども導入されます。
ラウンジでは、川が流れる自然音などを流し、高級ホテルのようなスペースになっています。入居者用のダイニングは、昼間に一般利用も可能とする予定です。
やや離れていますが、東海道新幹線が見える「トレインビュー」の部屋もあります。月額家賃は23万~83万円、管理費・サービス費は18万円です。
「グランクレール綱島」からの景色。東海道新幹線が見える(乗りものニュース編集部撮影)。
ちなみに、綱島駅は1926(大正15)年から1944(昭和19)年まで「綱島温泉駅」という駅名で、駅周辺は温泉街でした。「グランクレール綱島」は、かつて温泉旅館「新水」があった場所に建設されています。