橋の塗料を「はがす」作業に特化したという「自律走行型ブラストロボットシステム」が公開されました。実は塗料は、はがすときのほうが、かなり手間がかかるうえに危険なのだそうです。
ロボットが粒子を吹き付け塗料はがしを代行!
2024年9月26、27日に東京ビックサイトで行われた「ハイウェイテクノフェア2024」では、橋のメンテナンスに関するシステムなども多数展示されていました。その中で、橋を保護する塗料を「はがす」作業に特化したという「自律走行型ブラストロボットシステム」が展示されていました。
「ハイウェイテクノフェア2024」で展示された「自律走行型ブラストロボットシステム」(乗りものニュース編集部撮影)。
出展したのは、鋼構造物や建築構造物の塗装などを行っている久保田塗装(東京都文京区)です。橋に研削材を圧搾空気で吹き付け、古い塗料やサビを除去する「ブラスト工法」で使用するロボットです。
実は、塗料は塗るより“はがす”ほうが、はるかに大変なのだそうです。久保田塗装のブース担当者は「橋脚などの塗料をはがすのをケレンというのですが、赤さびや古い塗膜を全て除去する必要があります。方法としては、ブラストを使う場合とサンダーなどの工具を使う場合がありますが、どちらも手間がかかり、危険で汚れる作業になります」と話します。
特に橋脚の場合は、作業スペースも狭いことが多く、研磨用のブラストを噴射すると、危険な高所で作業員が研削材まみれになるそうで、視界の確保が困難なうえ、かなり汚れるのだとか。まさに「きつい」「汚い」「危険」の揃ったいわゆる「3K」の作業であるとのこと。
この課題を解決するブラストロボットは、橋脚に設置した足場にレールを敷き、ブラストロボットがそのレール上を自律走行し自動でブラスト処理を行います。
このロボットが様々な現場で使われるようになると、人による塗膜除去作業がなくなるため「人員の安全を確保し、人手不足にも対応することができます」と担当者は話します。まだ、試験運用の段階ではありますが、既に東京都にある歩道橋の改修工事や、高架橋のメンテナンスなどに使われているそうです。