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電車を降りたら『キャプテン翼』 葛飾区「四つ木」は機動力に満ちあふれた街だった【連載】東京下町ベースキャンプ(2)

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堤防沿いの四つ木駅

 葛飾区の京成押上線四つ木駅は、荒川に掛かる国道6号線(水戸街道)から南側へ少し路地に入った、綾瀬川の堤防沿いの道路脇にあります。

 駅舎や構内には、葛飾区ゆかりの人気漫画『キャプテン翼』のイラストが所狭しと描かれにぎやかな印象です。

 駅舎から一歩外に踏み出せば、南側に「渋江商店街」があるほかは大きな施設もなく、駅前からすぐに住宅街が広がります。

「四つ木」の地名が、公式な記録として最初に登場するのは『元禄(げんろく)改定国絵図』の中に「四ツ木新田」としてですが、由来は諸説あり、現在も判明していません。

関東大震災以降、人口が急増

 四つ木駅の1日あたりの乗降者数は、1万6553人(2018年)。各駅停車のみで、京成沿線でも存在感を示すことの少ないこのエリアは、区内ではもっとも都心寄りに位置するその立地から、いち早く市街化の波にのみ込まれていきました。

 1920(大正9)年には3780人を数えるのみだった地区の人口は、1963(昭和38)年には、およそ9倍の約3万5000人に達しています。これは1923年の関東大震災による都心部の防火対策に伴い発生した、住宅地の郊外化も影響しています。

葛飾区ゆかりの漫画『キャプテン翼』のキャラクターが描かれた四ツ木駅の駅舎(画像:吉川祐介)

 戦前は野菜市場が存在していたほど農村に近接していた四つ木の町ですが、現在は複雑に入り組んだ狭い路地に、古い民家と近代的な集合住宅、町工場が混在。

 いまだ再開発は進んでいませんが、その駅舎に描かれた漫画キャラクターのイメージにふさわしく、フットワークの軽さと機動力を存分に発揮できる拠点となりえます。

発達したバス網

発達したバス網

 四つ木駅の北側に京成タウンバスの停留所があります。その終点は、隣県の千葉県にある市川駅。

 鉄道網が乏しい荒川以東の下町はバス網が発達しており、四つ木には、駅前、水戸街道、平和橋通りに多数のバス路線網が配備され、新小岩駅、堀切菖蒲(しょうぶ)園駅、綾瀬駅、亀有駅、さらには錦糸町駅などにまでも結ばれています。

1919(大正8)年発行、現在の四ツ木駅周辺の地図(画像:時系列地形図閲覧ソフト「今昔マップ3」〔(C)谷 謙二〕)

 鉄道と比較すると、バスは確かに定時性や速度は劣りますが、ホームに上がる必要もなく路上で乗降でき、かつ行き先に応じて豊富な停留所を選択できる利点があります。

 都営バス、京成バス共に料金は一律のため、電車を乗り継ぐよりも安く目的地に到達できることも多く、下町の暮らしは、このバスを使いこなすことで、行動範囲は格段に向上します。

賃貸物件の相場もお手頃

 また、現在はコロナ渦の影響で欠航が多く利用機会は少ないかもしれませんが、四つ木を含めた葛飾区は、鉄道での所要時間においておおむね羽田空港と成田空港の中間に位置しています。

 加えて四つ木には駅に隣接して首都高速中央環状線のインターチェンジまで存在するのですから、四つ木は、その小さな駅舎からは想像もつかない豊富な交通手段の選択肢を兼ね備えているのです。

 都区内においては、この程度の交通利便性であれば特筆するほどの話ではないかもしれません。

四ツ木駅周辺は、葛飾区内でも早くから宅地化が進められたエリアのひとつ(画像:吉川祐介)

 しかし四つ木は、先述したように区内でも再開発の進んでいない地域のため、今も廉価な賃貸物件が豊富です。駅前からすぐに住宅街ということもあり、走れば数分で改札を抜けられそうな立地でも、バス・トイレ付で4万円台から存在し、貸家でも6万円台からあります。

「機動力」の高い生活には最適

「機動力」の高い生活には最適

 四つ木は、商業地域と住宅地の境目が曖昧な地域でもあります。

 渋江商店街、まいろーど四つ木商店街は共に今日では住宅との混在が進み、平和橋通り沿いのイトーヨーカドー四つ木店(葛飾区四つ木2)は、郊外の巨大スーパーのような広大な商業地の中にあるものではなく、住宅密集地に囲まれた立地で、店舗の真裏にまで家屋が近接しています。

渋江商店街。現在は一般住宅との混在が進んでいる(画像:吉川祐介)

 町のあり方として、本来なら利点として語られないこの四つ木の特性は、「機動力」を高めた身軽な生活をする上ではむしろ「合理的」と言えます。

 取りあえず安く寝床と住所が取れて、近場で日用品が手早くそろえられればそれで良いのです。時間はすべて自分の用事に使うという行動的な人にとって、この利便性と賃料相場は大きな魅力のはずです。

土地の水害リスクとその対策

 もちろん、四つ木の安さには別の理由もあります。

 周知の通り23区東部の下町は海抜が低く、その大部分が豪雨時の浸水リスクを抱えていますが、特に四つ木周辺は、荒川、中川、江戸川のいずれが氾濫しても地区外退避を求められる重層的な浸水想定区域に指定されています。葛飾の歴史は、絶えることのない水害との闘いの歴史でもありました。

現在の四ツ木駅周辺の地図とその段彩陰影図。色が青に近づくほど土地の低さを示している(画像:国土地理院)

 天災は時に人知を超える規模で牙をむくため、ここで無責任に楽観論を述べることはできません。しかし葛飾区は、過去の犠牲の経験を基に、23区内でも特に災害対策の啓発に主眼を置いた斬新な施策を取り入れている自治体です。

 従来より葛飾区内の全ての避難所には水害時の救助用ボートが配備されていますが、2017年に自治体では初の試みとなる水陸両用車を導入。これは実用面の他に、児童への防災意識の啓発を目的とした導入でもあります。

進む拡幅と京成線の高架工事

進む拡幅と京成線の高架工事

 また、2020年の8月には、昨年の台風災害を教訓に、台風到来シーズン前に区内各所で住民向けのハザードマップ説明会の開催を予定しています。

 天災時における「油断」がもたらす恐ろしさを、葛飾区はよく知っているのです。区のホームページも防災情報が非常に充実しています。先人の犠牲の上に築かれた防災意識を持ち合わせた暮らしが求められます。

 四つ木は今なお昭和の面影を色濃く残す古い町です。

 しかし、少しずつではありますが道路の拡幅は進められており、京成線の高架工事も進み、やがてはその町並みも一変する日が来ると思われます。

現在でも少しずつ道路の拡幅は進められている(画像:吉川祐介)

 しかし今の四つ木はまだ、夢中でサッカーボールを追いかける少年のように、目標に向けて一直線に走る方の、機動性に特化したもっとも手っ取り早い拠点として、今しばらくはその役割を存分に果たしてくれるでしょう。

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