眞子さまとの婚約が内定している小室圭さんが、一部で報じられている金銭トラブルについて説明する文書を公開しました。この問題はどこに向かうのでしょうか。考察してみましょう。
一連の流れは何を意味するのか
婚約者である眞子さまは「文書を読まれて、いろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃればありがたい」とコメントされました。
西村泰彦宮内庁長官は定例会見で、今回の文書について「非常に丁寧に書かれている」と絶賛したとされ、これまでの金銭トラブルに関する「事実関係や経緯について理解できた」としています。さらに、加地隆治皇嗣職大夫は「小室家側が問題を解決するために行った」と一定の評価をする発言をされました。
今回公開した28枚の文書はもっぱら読みにくいとの評判ですが、これは国民への説明というより、秋篠宮殿下に向けたものという意味合いが強いのではないかと考えています。思っていることを隠さず打ち明けた、真情を吐露する内容だからです。
小室さんは思いの丈を語らずにはいられなかったのでしょう。また、これまでの報道に対して強い憤りを感じていることがよく理解できました。
筆者は、これまでの小室さんに関する報道に違和感を覚えていました。出自や借金問題が明るみに出ると、一斉に批判に転じたことは記憶に新しいところです。父や祖父の自殺、信仰や霊媒師の問題、金銭トラブルについてもしつこく追い回しました。ニューヨーク州弁護士資格を取ったところで、活躍することは困難だとする報道もありました。
そして、メディアは攻撃しやすい小室さんだけを標的にしました。連日のバッシングに対する眞子さまや秋篠宮家の苦悩が想像できます。宮内庁はなぜ、事前に調査をしなかったのでしょうか。宮内庁の不備について識者も一切触れないのはなぜでしょうか。
天皇陛下の裁可は撤回困難
皇室には、天皇陛下が一度下した裁可には異を唱えることができないという不文律があります。すでに小室さんと眞子さまの結婚について、天皇陛下が裁可された(2017年9月3日)と宮内庁は発表しています。発言の撤回が難しいことは言うまでもありません。
しかし、一部のメディアはすでにバッシングを繰り返しています。小室さんの文書公開に合わせて、眞子さま、西村宮内庁長官、加地皇嗣職大夫が肯定的な発言をしたということは、そこに何らかの意味があると考えることができます。筆者は結婚へかじが切られるものと推測しています。
新年の歌会始の儀で、眞子さまが「烏瓜その実は冴ゆる朱の色に染まりてゆけり深まる秋に」との歌をお詠みになりました。季節が深まるにつれて、烏瓜(からすうり)の実が秋の色に染められていくように見える様子を表しています。秋にはよい便りが来るようにという意味にも聞こえます。歌の通りに解釈するなら、「今秋にも結婚に向かう」ことが考えられます。
なお、お二人の結婚が実現しなくなった場合、基本的人権の観点から批判が起きかねないと考えています。本来、民間人である小室さんの人権は最大限保障されるべきだと考えられるからです。結婚に反対し、批判する識者はこうした視点を持たなくてはいけないでしょう。
小室さん“解決金”支払いの意向報道
28枚の文書公開後、小室さんが解決金を支払う意向があるとの報道が流れました。解決金による事態収拾の真意はどこにあるのでしょうか。宮内庁は28枚の文書で幕引きをしたかったはずです。ところが、バッシングは収まるどころか過熱しました。
眞子さまと小室さんが交際を開始したのは10年以上前とされています。「週刊女性」2016年11月1日号では「眞子さま、ガッチリ体形のイケメンと横浜デート後に東横線でラブラブなご様子」とお二人のデート姿と宮内庁の皇宮護衛官が確認されています。
皇宮護衛官は皇族の外出の際には同行して警護を行いますから、小室家の「身体検査」は可能だったはずです。一定の情報は吸い上げているはずですが、なぜ、大火になるのを防げなかったのでしょうか。事態を収拾できなかった宮内庁の責任について、メディアは報じません。小室さんを批判するだけでは何の解決にもならないことが分からないのでしょうか。
本来、金銭トラブルやさまざまな家庭の問題などを踏まえれば、結婚を考えることは好ましくなかったのかもしれません。しかし、お二人の気持ちが突き進んでいる以上、止めることはできないでしょう。結婚が実現しなくなった場合のリスクがあまりにも大きいからです。
リスクとは多額の慰謝料のことではありません。秋篠宮家や皇室の内情を含めた情報が公にされるリスクです。事実、英王室ではメーガン妃の暴露本が大問題になっています。
問題を沈静化させるには
皇籍を離脱する皇族女子は皇室会議の承認を必要としません。速やかに皇室を離脱して、お二人は結婚すればいいと思います。事態はどのようなプロセスを経て収束に向かうのでしょうか。まず、小室さん、元婚約者の双方が、問題が解決したことを公表する必要があります。
さらに、皇室を離れるときに支払われる一時金についても慎重な議論が必要です。辞退の覚悟を示せば、結婚へのバッシングは一気に沈静化するでしょう。潮目がガラリと変わると思います。
筆者は眞子さま、小室さんの結婚に関して、さまざまな状況を勘案した上で肯定の立場を取ってきました。2018年2月、延期が発表された後にバッシングが過熱したこともあり、その後はニューヨーク州弁護士のリッキー徳永さんのコメントなどを交えながら論考を重ねてまいりました。
結婚までは慎重なかじ取りが必要とされるでしょう。メディアも事態の推移を見守るべきではないかと思います。令和の時代にふさわしい、新たな皇室像を考えるべき時期が来たのかもしれません。
コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員 尾藤克之