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「てんぐになる」人と「てんぐにならない」人は何が違うのか

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渡部建さん

渡部建さん

 お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建さんの不倫問題で、相方の児嶋一哉さんが騒動後、ラジオ番組の中で、渡部さんのことを「仕事もうまくいくし、プライベートも順風満帆だし、『てんぐ』だったんですよね」と述べました。渡部さんに限らず、仕事やプライベートが順風満帆なことで、周囲を不愉快にさせる傲慢(ごうまん)な言動をする人は、少なからずいます。一方で、あらゆることが順風満帆であっても、てんぐにならない人もいます。

「てんぐになる」人と「てんぐにならない」人の差は何なのでしょうか。心理カウンセラーの小日向るり子さんに聞きました。

他者の存在が前提条件

Q.人がてんぐになるのはどのような場合ですか。仕事やプライベートなど、自分の周囲のことが順風満帆なときでしょうか。

小日向さん「仕事やプライベートがうまくいって、人生が順風満帆なときは、誰でもよい気持ちになります。ただ、その状態自体は『てんぐになる』とはいいません。『てんぐ』の意味は『高慢な(思い上がって人をあなどる)こと。自負すること。また、その人』(広辞苑)です。つまり、思い上がって自慢し、その自慢話を聞いてくれる他人がいなければ、てんぐにはなれないのです。

そのように考えると、てんぐになるときというのは、いい気になっている本人の自慢話を聞いてくれる人、あるいは、聞き流して指摘しない人(傍観者)といった他者の存在があることが条件になります。まずは、周囲の人との環境がてんぐになる前提条件だといえるでしょう」

Q.順風満帆であっても、てんぐになる人もいれば、てんぐにならない人もいます。この差は、どのようにして起きるのでしょうか。

小日向さん「『自己愛の強さ』が、てんぐになる人とならない人を分ける大きな要因になります。もともと自己愛が強い人は、物事がうまくいっていなくても、『自分には本当はもっと能力があるはず、成功するはず』という自信を持っています。物事がうまく回りだし、前述した環境要因がそろうと『ほらみろ!』とばかりにてんぐになっていくのです。

一方、てんぐにならない人は自己愛が強くはありません。このタイプの人は人生が順風満帆でも、『自分なんてまだまだ』と思い、謙遜する気持ちが強いのです。自己愛が強いのはよいことなのですが、強過ぎるとてんぐになる危険性があるのです」

Q.てんぐになってしまうと、自分自身が「てんぐになっている」と気付けないことが多いようです。なぜ、自分自身では気付けないのでしょうか。

小日向さん「心を落ち着けて自分の内面と向き合う、つまり、『内省』する余裕がなくなるからです。物事に気付くためには、内省が必要です。しかし、仕事やプライベートが順風満帆のときには、多くの人が仕事も忙しく、付き合いも多くなって人脈が広がり、結果として遊び時間も多くなるため、内省する時間が持てません。

また、順風満帆な人に便乗して利益を得ようとする人が、本人をますますおだてることで増長してしまい、自分を客観的に見られなくなるケースも生まれます。傲慢な言動や態度に嫌気が差した人が去り、有り余る時間が残り、そこで初めて内省の時間を持ったことで、『あの時の自分はてんぐだった』と気付く人が多いのはそのためです」

Q.身近にてんぐになっている人がいる場合、どのように接すればよいでしょうか。てんぐになっていることをいさめてあげた方がよいのでしょうか。

小日向さん「接し方は、てんぐになっていることを指摘するか、あるいは相手にしないことです。てんぐになっている人は意気揚々としているのですから、そこに水を差すようなことを言われると、あからさまな不快感を示される可能性が高いです。

中途半端に関わると、お互いが不快な気分になって傷ついて終わるだけです。そのため、指摘する場合は『てんぐになっていることを分かってもらいたい』という強い意志が必要なのです。逆に、そこまでこの人に関わる情熱がないと思うのであれば、全く関わらないようにすることです。

そして、最も行ってはいけない関わり方が、順風満帆な人から何らかの利益が欲しくておだてることです。てんぐになっている人の自信や高慢がくじかれたときに、自分も共倒れになる可能性があります」

Q.てんぐになると、他人からの信用など多くの大切なものを失うように思います。てんぐにならないために、普段からどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

小日向さん「余裕を持つことが大切です。余裕とは『時間の余裕』『心の余裕』の両方です。例えば、予定を4つ入れられるときには、あえて3つにしてみましょう。3つにすれば、電車に乗る前に待ち時間ができるかもしれません。

そうすることで、待ち時間に過去の振り返りをすることもできます。『傲慢な言い方だったな』『自慢が過ぎたかな』など、余白時間があるからこそ気付くことがあります。順風満帆に物事が進みだすと、気持ちが乗ってきてオーバーワークも気力で乗り切れてしまうのですが、そういう状態のときにこそ、予定を詰め込まないように注意することが必要です。

老子の有名な言葉に『足るを知る』というものがあります。これは、身分相応に満足するという意味だけでなく、『足りないものを見るのではなく、すでに足りていることに着目しなさい』という意味もあります。自分はすでに足りている、ということを意識すると、自然と余裕が生まれてきますよ」

オトナンサー編集部

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