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選挙の「リード」「追い上げ」報道 「人気投票公表の禁止」に違反しないの?

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「人気投票の公表」は禁止
「人気投票の公表」は禁止

 参院選が6月22日に公示され、7月10日の投開票に向けて、各候補者が選挙戦を繰り広げています。選挙といえば、「〇〇候補がリード」「△△候補が追い上げている」といった記事が、新聞に載るのが恒例です。こういった報道は有権者への調査を基にしているとされますが、公職選挙法には「人気投票の公表の禁止」という条文があります。問題はないのでしょうか。選挙調査や世論調査に詳しい、埼玉大学名誉教授の松本正生さんに聞きました。

「取材加味して」「現時点での」情勢を報道

Q.選挙の際、投開票日の前に、選挙区ごとにどの候補がリードしている、あるいはどの候補が追い上げている、といった報道が新聞に載ることがあります。誰に投票する予定かを有権者へ調査した上での報道とされますが、公選法には「人気投票の公表の禁止」が定められています。法律上の問題はないのでしょうか。

松本さん「まず、公選法の『人気投票の公表の禁止』について、お話しします。禁止している理由は、選挙の公正さを害する恐れがあるからですが、この条文の解釈には2つの説があって、一つは『そもそも、人気投票自体が禁止』という説、もう一つは『人気投票自体は制約されていないが 結果を公表するのは問題』という説です。

公選法を所管する総務省は、基本的には結果の公表禁止が趣旨、という立場を取っています。そもそも人気投票自体を禁止してしまうと、例えば『主権者教育』に支障が出る可能性があります。学校の授業で模擬投票をしている事例がありますが、選挙の実際の候補者で模擬投票をすると、選挙や政治への関心を持ちやすくなります。それもだめ、というのはどうかという考え方です。

とはいえ、模擬投票であっても、実際の選挙の開票日前に結果をオープンにすることは、どの学校でも避けているはずです。選挙の公正さを害する恐れがあり、『人気投票の公表の禁止』に触れると考えられるからです。そういう理解が、社会では一般的と思われます。

では、報道はどうなのか、となります。前提として、公選法には『人気投票の公表の禁止』が定められている一方で、『新聞紙、雑誌の報道および評論等の自由』『選挙放送の番組編集の自由』も規定されています。選挙報道における『報道の自由』が保障されているわけです。

その上で、各社の報道をよく見てもらうと、2つの要素が見えてきます。一つは、『生の数字は出さない』という原則です。どの候補に投票する予定かなど、有権者に調査した結果について、各報道機関は細かいデータを持っていますが、その調査結果の数字を、投開票日前にそのまま載せることはありません。さらに『情勢取材を加味して』といった文言が、記事の中に入っているはずです。調査結果をそのまま報道するのではなく、記者が取材した結果も加味して、『現在の情勢を客観的に報道する』というスタンスを取っているのです。いわゆる『情勢報道』といわれます。

また、『回答者の○割はまだ投票先を決めておらず、投票日までに情勢は変わる場合がある』という趣旨の記述もあるはずです。投票日までの政治情勢や社会情勢の変化によって、報道時点の傾向は変わり得る、ということを示し、『あくまで現時点での情勢を報道している』と表しているのです。

こうした報道の仕方によって、公選法上の問題をクリアしていると考えられています」

Q.合法であったとしても、こうした報道が、有権者の投票に影響する恐れはないのでしょうか。特に、その選挙区で候補者間に大きく差がついているような報道がされたり、与野党の議席差に大きな差が出そうだと報道されたりした場合、投票率の低下につながる恐れはないでしょうか。

松本さん「確かに影響する恐れはあり、それが情勢報道に対する批判の論拠の一つです。投票行動に対する『アナウンスメント効果』といわれ、有利と報道された候補(政党)に票が流れる『勝ち馬効果』と、逆に、不利と報道された候補(政党)の票が増える『判官びいき効果』が起き得るとされます。

近年は、投票率への影響がよく指摘されます。情勢報道で『与党が大きくリード』などと伝わると、有権者の中に『もう決まりだ』というムードができて、投票率が下がっているのではないか、という批判です。

では、情勢報道がないのがベストなのか?と考えると、それも問題と思います。有権者が、客観的な情報源がない中で、投票せざるを得なくなるからです。先ほど、『もう決まり』ムードと言いましたが、逆に、情勢報道が有権者の目に触れることによって、『このままではいけない』と選挙への関心が高まる可能性もあります。

好ましいのは、情勢調査や情勢報道が、投票の際の『一つの判断材料』になることだと思います。報道各社は、かなりの時間とお金と人手、労力をかけて情勢調査をしています。客観性と正確性を担保しようと必死です。そこに、一つの社会的価値が生まれます。私は、情勢報道は、一つの公共財と思っています」

投票率への影響は?

Q.公示後間もなく情勢を載せる新聞もあります。候補者が出そろったばかりの段階で、正確な調査ができるのでしょうか。

松本さん「確かに、公示直後の調査は『知名度調査でしかない』と考えたのか、公示間もない時期の情勢報道を控える社が出てきました。かつては速報競争という意味で、『一番早く、情勢を載せる』という考え方が各社にあり、各公示直後に調査して、公示後間もないタイミングで、情勢報道をしていましたが、最近は、社によって対応が割れてきています。

特に参院選は選挙期間が長く、今回も公示直後の情勢報道を見送る社があるでしょう」

Q.前の質問に関連して、特に公示後間もなく情勢が載った場合、選挙への関心や投票率に影響する恐れはないのでしょうか。

松本さん「ないとは言えません。例えば今回の参院選は、野党の選挙協力がここ2回の参院選と比べ少なく、与党有利に働いている選挙区が多いこともあり、そもそもの選挙としての盛り上がりに欠けていると言われます。そこで、序盤の情勢報道で、予想通りの結果が出たとしたら、『やっぱり』という感じで、有権者の足が投票所から遠のいてしまう恐れはあります。残念なことですが」

Q.情勢調査の報道を、私たちはどのように見て、役立てればよいのでしょうか。

松本さん「先ほども述べましたが、投票先を決める際の、一つの判断材料にするのがよいと思います。何の情報もない中で選ぶのは難しいし、大変なので、判断材料の一つにするのです。各党の政策を比較する人もいるでしょうし、人物本位で選択する人もいるでしょう。自分の一票を無駄にしたくない、有効に使いたいと思っている人は、そう考えてほしいと思います。

ただ、そもそも新聞やテレビの影響力が低下していて、SNSなどネットの影響力が強まっているという現実もあります。例えば、動画投稿サイトでパフォーマンスを繰り広げる候補者の話題の方が、選挙の予測報道よりインパクトが大きくなることもあります。その話題性だけに着目して投票する人もいるようです。

もちろん誰に投票するかはその人の自由であり、話題性だけで投票するのも自由なのですが、先述したように、報道各社は、かなりの時間とお金と人手、労力をかけて情勢調査をしています。客観性と正確性を担保しようとしています。話題は話題として、情勢報道という客観的な情報を判断材料の一つにすることが、貴重な自分の一票を有効に使うことにつながると思います」

オトナンサー編集部

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