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天皇が思わず列車を止めた絶景とは 天空の廃線跡「北陸本線旧線」は見どころだらけ

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北陸本線の敦賀~今庄間は長大トンネルで山地を抜けていますが、かつては高地を迂回する旧線を走っていました。その廃線跡は道路に転用され、今も遺構が残っています。

約60年前に廃止となった旧線が残る

 2024年春に開業を控えた北陸新幹線の金沢~敦賀間の延伸。その終端となる敦賀駅の手前で、新幹線は急峻な木ノ芽峠の山地を抜けます。在来線であるJR北陸本線も、ここでは長さ1万3870mにもおよぶ長大な北陸トンネルで抜けていきます。

 北陸トンネルの開業は1962(昭和37)年。それ以前は、現在より海寄りのルートで峠を越えていました。その旧線のほとんどが、現在は道路に転用されてクルマで通行可能となっています。

Large 211010 hokutiku 01旧北陸本線のトンネル。手前が芦谷トンネル、奥が伊良谷トンネル(乗りものニュース編集部撮影)。

 旧線は単線、標高は400m近くに達し、13のトンネルと3つの信号場、そして現存しない新保(しんぼ)・杉津(すいづ)・大桐(おおぎり)の3つの駅が設けられていました。

 これらを含む一連の遺構は「旧北陸線トンネル群」として、2016年に文化庁により登録有形文化財に指定されました。往時の幹線ルートの情緒を今に伝える鉄道遺産として、現在注目が高まっています。

全編にわたって鉄道遺産

 道路として転用されたこともあり、鉄道遺構は現在も多くは比較的良好な状態で現存しています。北から順に抜粋して紹介していきます。

大桐駅跡

 今庄駅を出て、峠越えに差し掛かる最初の駅が大桐駅でした。行き違い可能で、スイッチバック設備もありました。現在、ホーム跡が残っており、再現された駅名標が立ち、「デゴイチ」の愛称で活躍したD51形の車輪が展示されています。

Large 211010 hokutiku 02旧北陸本線の大桐駅跡(乗りものニュース編集部撮影)。

大桐~山中信号場

 大桐駅跡を過ぎると、廃線跡の道路は上り勾配で標高を上げています。道路は築堤上を真っ直ぐ伸びていき、そこがかつて鉄道敷であったことを伺わせています。

 上っていく途中で、左手に工事現場を見下ろす場所がありました。そこは北陸新幹線の新北陸トンネルの作業用坑口です。新北陸トンネルは在来線の北陸トンネルを上回る、1万9760mもの長大トンネルとなっています。

山中信号場

 最大25パーミルの急勾配を登りきったところに、山中信号場跡があります。北陸~関西の大動脈である北陸本線で単線区間の運転本数を増やすため、先述のとおり旧線には駅のほかに3か所ものすれ違い地点、つまり信号場が設置されました。その中で最大のものがここ、山中信号場でした。

 信号場周辺は急峻な峠で平地がなく、長い貨物列車どうしで対向列車の待ち合わせを行うスペースがありませんでした。そこで、本線から枝分かれする形で、人工的に水平区間を設けました。いわゆるスイッチバックです。山中信号場の特筆点は、その枝分かれした線路が計3本もあったこと。トンネルの左脇に折返し線が1本、今庄側に待避線が2本(上り線・下り線)ありました。

 一般的なスイッチバック信号場では、水平な待避線で一方が停車し、反対側の列車がノンストップで通過していくことになります。しかし山中信号場の峠越えは勾配があまりにもきついため、補機と呼ばれる機関車で後ろから押してもらうことがあり、その機関車を峠で切り離すのに、いったん待避線に停車する必要がありました。「先行列車」「対向列車」の両方を停車させるため、待避線は珍しい複線となったのです。

 待避線の跡地と、その先端にある頑強なスノーシェルターが、今も現地に残っています。シェルターの脇から本線を見下ろすと、本線はすでに遥か下にあり、いかに壮絶な急勾配であるかが実感されます。

峠を越えると、そこは天空の鉄路

 山中信号場を過ぎると約1200mの山中トンネルが待っています。このトンネルを抜けると、旧線はいよいよ日本海を臨みながら南に進路を取ります。

杉津の連続トンネル

 峠を越えると、海岸線沿いの急斜面上を、山中・伊良谷・芦谷・曲谷・第二観音寺・第一観音寺の連続トンネルで抜けていきます。

 トンネルはいずれも単線用に作られたもので、幅員は自動車1台分ほどしかありません。そのため、内部でカーブし反対側の入り口が見えないトンネルでは、中で自動車が鉢合わせすることのないよう、信号機制御で交互に片方ずつ通行する形になっています。これは、滋賀県と福井県の県境にある、同じく北陸本線の旧線を道路に転用した「柳ケ瀬トンネル」でも見られます。

杉津のパノラマ名所

 山中トンネルから杉津までは日本海を臨む雄大な景色を楽しむことができます。道路はやがて北陸自動車道の上り線の杉津PAに差し掛かりますが、ここにはかつて杉津駅がありました。

 標高180m付近の急斜面上に設けられた旧杉津駅もやはり眺望が良く、当時は「北陸線屈指の車窓風景」として、車内アナウンスがあったとか。また、大正天皇がお召列車でこの地を通りがかかった際、思わず列車の出発を遅らせてまで景色を楽しもうとしたという話も伝えられています。

 旧杉津駅を過ぎると、曽路地谷・鮒ヶ谷・葉原の3本のトンネルを抜け、木の芽川の谷あいに入ります。現存しない旧新保駅跡を抜けると、敦賀の市街地はすぐです。

 ※ ※ ※

 北陸新幹線の延伸開業でにわかに脚光を浴びる福井県。県では開業に先立ち、2020年に「FIRST291~北陸新幹線開業プラン~」を策定。三方五湖の周遊に便利な路線バスの実証運行や既存駅の改修、若狭湾サイクリングルートの整備など、観光客を迎え入れる様々な基盤づくりに取り組んでいます。

 その一環として、この旧北陸本線のトンネル群でも、「トンネルカード」の活用や有名漫画家とのタイアップといった施策が計画されています。

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