今は亡き母の「友達」について描いた漫画がSNS上で話題となっています。ある日、スーパーで、保育園時代の友達のお母さんとばったり再会した女性。友達のお母さんにとって、亡き母は初めてのママ友で、当時のことを思い出しながら…という内容で「泣ける」「すてきなお母さまですね」「心が温かくなりました」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
生前は友達が多かった母
この漫画を描いたのは、クリエーターのさゆり(ペンネーム)さん(30)です。インスタグラムやツイッターで育児漫画などを発表しています。
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
さゆりさん「自分が感じたこと、思っていることを誰かに共感してほしくて描きました。また、描くことで自分の気持ちに向き合えると思いました」
Q.お母さまは、友達の多い方だったのでしょうか。
さゆりさん「多いです! 毎週、誰かがフラッと家に遊びに来て、母と話しているのをよく見ていました。『あぁ、今日○○ちゃんのお母さんか。昨日は●●君のお母さんが来てたな』ということがよくありました」
Q.さゆりさんご自身は、この当時のことを覚えていますか。
さゆりさん「いつも遊んでくれていたので、よく覚えています」
Q.その後は、ご家族ぐるみで仲良くしていたのでしょうか。
さゆりさん「そうですね。私がおもらしをして、ゆう君のお母さんが『大丈夫よ』とニコニコしながら着替えさせてくれた話を、母からよく聞いていました。ただ、私が小学生の頃、ゆう君は引っ越してしまい、それから会う回数は減りました。それでも、スーパーで偶然会うことも多く、そんなとき、母たちはずっとおしゃべりをしていました(笑)」
Q.ゆう君のお母さんからこのエピソードを聞き、どう思いましたか。
さゆりさん「私にとって、ゆう君のお母さんのイメージは『よく笑って、一緒に遊んでくれる人』でした。でも、話を聞いたとき、笑っていたけど悩んでいたんだなあと思いました」
Q.このエピソードをきっかけに考えたことがあれば、教えてください。
さゆりさん「亡くなった人を思い出すことで周りに気を使わせたり、寂しい気持ちにさせてしまったりするのではと少し後ろめたい気持ちになっていました。でも、コメントを読んで、『思い出せてよかった』『私も同じ思いだった』と共感してもらえて、お葬式が終わった頃の寂しかった自分に見せてあげたいと思いました」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
さゆりさん「『この漫画を描いてくれてありがとう』と言ってくださった方がたくさんいて、本当にうれしかったです」
Q.現在、取り組んでいる創作活動は。
さゆりさん「自分の気持ちに正直な漫画を描いていきたいと思います。いつも読んでくださっている読者さんへの感謝も忘れずに、これからも頑張ります」
オトナンサー編集部