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「日曜夕方」の憂鬱を軽減するには? 放置するとうつ病リスク増 臨床心理士が説く3つの“対処法”

オトナンサー

美容・健康

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日曜日の夕方に憂鬱になる原因は?
日曜日の夕方に憂鬱になる原因は?

 日曜日の夕方になると、「明日、仕事に行きたくないな」と憂鬱(ゆううつ)になることはありませんか。この場合、どうすれば重い気分を軽くすることができるのでしょうか。また、日曜日の夕方に憂鬱になるのが当たり前だと考え、何の対策も行わなかった場合、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。大阪カウンセリングセンターBellflower代表で、臨床心理士・公認心理師の町田奈穂さんに聞きました。

睡眠リズムの乱れも憂鬱の原因に

Q.日曜日の夕方になると憂鬱になることがありますが、どのような原因が考えられるのでしょうか。心理的な観点で教えてください。

町田さん「日曜日の夕方に憂鬱になる場合、いくつかの心理的要因が関係しています。まず、平日と週末のペースの違いによる心理的な負担が挙げられます。

週末は多くの人がリラックスし、自分のペースで自由に過ごせる時間を楽しんでいるでしょう。しかし、月曜日からは職場や他者のペースに合わせて動かなければなりません。この切り替えに心理的な抵抗が生じるのです。特に、自分のペースを大切にしたいと考える人ほど、この負担を強く感じる傾向があるでしょう。

さらに、職場や仕事内容に対するストレスも影響します。仕事量が多かったり、対人関係での問題があったりすると、翌日のことを考えるだけで気が重くなります。特に、月曜日に重要な会議や締め切りが控えている場合には、不安やプレッシャーが憂鬱感を引き起こしやすくなります。

このほか、睡眠リズムの乱れも見逃せません。週末に『今日は遅くまで起きていられる!』と考え、夜更かしをする人も多いでしょう。平日に比べて就寝時間と起床時間が遅くなることで、睡眠リズムが崩れます。その結果、日曜日の夜に『早く寝よう』としても寝つきが悪くなり、『また今夜も眠れない。明日はしんどくなるのでは…』と不安が高まります。

このように、心理的な要因と身体的な要因が重なることで、日曜日の夕方は憂鬱になりやすいと考えられます」

Q.では、日曜日の夕方に「明日、仕事に行きたくないな」と感じた場合、どうすれば重い気分を軽減できるのでしょうか。

町田さん「次の3つの取り組みを行うのをお勧めします」

(1)翌日の準備を行い、予定を軽くイメージする
日曜日の夕方に憂鬱になったら、まずは次の日の準備を早めに終わらせてみませんか。仕事に必要な持ち物や服を整えるだけでも安心感が生まれ、不安が軽減されます。

翌日の予定を軽くイメージすることもお勧めです。「まずこれをやって、次にあれをしよう」と段取りを考えるだけで、漠然とした不安が少しずつ整理されます。

(2)リラックスできる時間を作る
リラックスできる時間を意識的に作ることも大切です。ヨガやストレッチ、読書、マインドフルネスなど、自分が「ほっとできる」と感じる活動を5分でも取り入れてみましょう。実際に行動することは、心を落ち着けるだけでなく、憂鬱感を和らげる効果もあります。

(3)軽い運動を行う
30分程度のウオーキングやストレッチなどの軽い運動に取り組んでみてはいかがでしょうか。ストレスホルモンを減少させ、気分を安定させる助けになります。適度に体を動かすことで心地よい疲労感が得られ、寝つきが改善し、睡眠の質も向上しやすくなります。

Q.日曜日の夕方に憂鬱になることが多い場合、医療機関を受診すべきなのでしょうか。

町田さん「憂鬱が毎週続くと不安になりますよね。憂鬱感が日曜日だけにとどまらず、平日にも影響を及ぼしている場合は、注意が必要です。まずは睡眠リズムを整えることや、先述の3つの取り組みを試してみてください。それでも改善が見られない場合は医療機関を受診することをお勧めします。

他にも、『食欲が極端に増えた、減った』『平日も疲労感や倦怠(けんたい)感が抜けない』『趣味や好きな活動に興味を持てない』『眠れない日が続く』『集中力が続かない』といった状態が1カ月以上続く場合はうつ病や適応障害の可能性も考えられるため、医療機関に相談しましょう。早期発見は適切な治療やサポートにつながるため、早めの受診がお勧めです」

Q.「日曜日の夕方に憂鬱になるのは当たり前」と考え、何の対策も行わなかった場合、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。

町田さん「『このくらい当たり前』と受け流せるストレスも、積み重なると心身ともに大きな影響を与えます。慢性的に仕事のパフォーマンスや生活の質の低下がみられ、些細なミスや人間関係のトラブルの悪循環が生じやすくなります。こうした悪循環が続くと、うつ病や適応障害などにつながるリスクも高まります。

睡眠リズムの乱れは、さらに症状を悪化させるリスクがあります。経済協力開発機構(OECD)の2021年版の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、調査対象国の中で最も短いことが明らかになっています。対象国の平均睡眠時間は8時間28分でした。

慢性的な睡眠不足は免疫力の低下により、風邪やインフルエンザはもちろん、高血圧や心疾患などさまざまな身体的な病気のリスクが高まります。また、うつ病や不安障害といった精神的なリスクも高まります。日曜日の憂鬱は『大したことはない』と見過ごしがちですが、ご自身の働く環境や生活を振り返り、無理のない範囲で少しずつ対策を取り入れてみてください」

オトナンサー編集部

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