ボーイング737型機は日本の空港でも見かけますが、JTA機の場合は窓の数が左右で違うといいます。なぜなのか、現行の737-800型機、かつて運航していた737-400型機、それぞれの理由を聞きました。
右側44枚・左側42枚の窓を持つJTAの737型機
日本の空港で「よく見る」といわれている飛行機のモデルのひとつが、ボーイング737型機でしょう。このモデルについてJAL(日本航空)グループで、沖縄を拠点にする航空会社、JTA(日本トランスオーシャン航空)が公式Twitterで次のようなクイズを出題しています。
「JTAの使用機737-800型機の窓の数は何枚でしょう?」
JTAのボーイング737-800型機(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。
この翌日JTAはこの答えを投稿。同社によると、737-800型機には92枚の窓があるといいます。165席が29列に並んでいるこの機体であれば、この窓の数は特段多いものではありませんが、実はこの配置は左右対称ではないとのこと。JTAはその内訳を「右側44枚・左側42枚・操縦室6枚」としています。
このような非対称はなぜ生じるのでしょうか。JTAの広報担当に聞きました。
――左右の窓の数が違うのはどうしてでしょうか?
理由は大きくふたつあります。ひとつは、機体内部にある客室の空気の通り道「通気ダクト」の配置が要因のものです。もうひとつは、機内のラバトリー(トイレ)やギャレー(キッチン)の配置が要因のものです。
窓の数の非対称は普通? 旧式の737はどうだったのか
――737-800型機で左右の窓の数が違うことは、一般的な事象なのでしょうか?
通気ダクト配置については、737-800型機であればどれも同じです。対しラバトリーやギャレー配置については航空会社によりある程度配置を変えられるものなので、ここはJTA仕様ということもできるでしょう。
JTA、JALのボーイング737-800型機が並ぶ羽田空港。一番奥はJTAの特別塗装機「ジンベエジェット」(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。
――JTAでは2019年まで737-400型機を使用していましたが、こちらの窓の数はどうだったのでしょうか?
こちらも実は左右で異なります。代表的な配列では右側39枚、左側37枚です。しかし737-400型機の場合は、現行の-800型機とは事情が少々異なります。
-400型機の排気ダクトは-800型機と違って左右対称に配置されています。つまり、窓の数の違いに関与しません。-400型機の場合は、ラバトリーやギャレー配置によって左右の窓の数に違いが生じているのです。
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ちなみに737-400型機の座席数は、現行の-800型機より少ない145席~150席。全長も-800型機の方が3mほど長くなっています。ただしコックピットの窓の数を比べると、-800型機より-400型機の方が多くなっています。これは、JTAの-400型機には「まゆげ」のような天窓が4枚ついていることに起因します。