大学生専用の履修管理SNSを運営するペンマーク(東京都目黒区)が、1996年~2005年生まれの「Z世代」の若手社会人を対象に、Z世代の就業意識調査の一環として「上司から受け、実際に『やめてほしかった』と感じた言動」に関するアンケートを行い、結果を紹介しています。
調査は、ペンマークを利用した若手社会人にインターネットで実施。ランキングは176人の有効回答で作成。
調査では、「Z世代」の若手社会人に、複数回答可で「これまでに経験した中で、上司の言動として『やめてほしかった』と感じたものはどれですか?」と質問。
最も高かったのは「人格を否定する言葉・態度」で39.8%。続いて、「感情的な八つ当たり」が32.4%、「理不尽な要求・指示」が31.3%、「人前での過度な叱責」が29.5%、「無視・話を聞いてくれない」が22.2%でした。
同社は、調査の結果を受けて「Z世代の若手社会人が上司との関係において、どのような言動を『越えてはいけない一線』と考えているかを明確に示しています」とし、「トップに挙げられた『人格否定』『感情的八つ当たり』『理不尽な指示』は、いずれも個人の尊厳を軽視し、心理的安全性を根本から脅かす行為です。これらは単なる指導の失敗ではなく、Z世代にとっては信頼関係を破壊する『裏切り』にも等しい行為と受け取られている可能性があります」と分析。
続けて、「特に注目すべきは、高圧的な言動と並んで『指導やフィードバックがない』という育成放棄(ネグレクト)が上位に挙げられている点です。成長意欲の高いZ世代にとって、放置されることは自身の存在価値を軽んじられ、キャリア成長の機会を奪われることと同義です」と説明しています。
そして、「企業は、ハラスメントに該当するような『やりすぎ』だけでなく、適切な関与を怠る『やらなさすぎ』もまた、若手のエンゲージメントを低下させる重大な問題であると認識する必要があります」と指摘しています。
さらに「これらの“タブー”とされる言動は、若手のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすだけでなく、彼らのパフォーマンスを著しく低下させ、最終的には離職の引き金となります」と話し「企業は、管理職に対してハラスメント防止研修を徹底することはもちろん、自身の感情をコントロールするアンガーマネジメントや、建設的なフィードバックを行うためのコーチングスキルといった、より実践的な育成プログラムを導入することが急務です」と、進言しています。
最後に「部下の成長に真摯(しんし)に向き合い、人として尊重する。この当たり前とも言える姿勢こそが、Z世代との信頼関係を築き、彼らの能力を最大限に引き出すための唯一無二の王道といえるでしょう」とコメントしています。
オトナンサー編集部