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アニメ映画『天気の子』で一躍注目 北区「田端」は大正・昭和初期のクリエイティブ最前線だった

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1キロ平方メートルに集まった才能たち

 11月1日は、詩人・萩原朔太郎(はぎわら さくたろう)の誕生日です。朔太郎は当時の文人らしく、前橋や東京を往復しながら転居を繰り返していましたが、盟友だった作家・室生犀星(むろお さいせい)に誘われ、1925(大正14)年に数か月間だけ田端に転居していました。

 朔太郎を誘った犀星が田端に転居したのは1916(大正5)年。1923(大正12)年の関東大震災後、金沢へ一時期戻り、1925(大正14)年に再び田端に戻っています。犀星が金沢に戻っていた間、『蜘蛛の糸』『羅生門』などの小説で知られる作家・芥川龍之介のあっせんで菊池寛が住んでいたそうです。

芥川龍之介の旧居跡(画像:写真AC)

 そんな芥川が田端に転居したのは、犀星より以前の1914(大正3)年でした。芥川は当時まだ学生で、世間から評価を受ける少し前のことです。犀星と田端で親交を結び、田端文士村の展開が始まります。もちろん芥川、犀星以前にも洋画家・小杉未醒(みせい)や陶芸家・板谷波山(はざん)が田端に転居しており、当初から作家だけが集まっていたわけではありませんでした。

 1896(明治29)年に東北本線(現在の京浜東北線)の駅として田端駅が開業。その後、1903年に豊島線(現在の山手線)が開通したことを契機に田端には人が集まるようになりました。その後、農村から住宅地へと変化。また地盤がしっかりしており、関東大震災の被害が少なかったため、ベッドタウン化が進みました。

 田端に芸術家や作家が集まった背景には、1887(明治20)年に上野で設立された東京美術学校の存在があったと言われています。芥川の書斎には日曜ごとに近隣の芸術家や作家が集まり、「驢馬(ろば)」という雑誌が創刊。編集作業の打ち上げは「紅緑」というカフェで行われていたといいます。

 田端には芥川や菊池、作家・直木三十五が揃って住んでいたので、芥川賞や直木賞は田端なしでは生まれなかったでしょう。なお、「紅緑」の女給のなかに後の佐多稲子がいました。そういった意味では、田端はまさに人材交流と育成を含めた当時の「クリエイティブスポット」と言えます。

 わずか1キロ平方メートルのなかに、これだけの作家や芸術家が集まっていたのは驚きとしか言いようがありません。なお戦前には馬込、阿佐ヶ谷、落合などにも文士村がありました。画家などが集まっていたアトリエ村「池袋モンパルナス」も有名です。

 彼らは心地のよさや情報交換、相互啓発のために同じ場所に住んだのでしょうか。どちらにせよ、現在はインターネットやスマートフォンが情報交換を代替しますし、当時と比べてプライベート重視の生活スタイルになっているため、このような現象は顕在化しないでしょう。

アニメ映画『天気の子』に駅舎南口が登場

アニメ映画『天気の子』に駅舎南口が登場

 1927(昭和2)年の芥川の自殺が引き金となり、犀星は1928年に田端を離れ、馬込に転居します。芥川と犀星なきコミュニティはその後形骸化し、1945(昭和20)年の空襲で田端は壊滅。そのため地形や街路は当時のままですが、戦前と現在の田端は別の街と言えます。

都道458号線から田端駅北口方面を望む(画像:増淵敏之)

 田端のある北区は工場移転などが相次ぎ、1965(昭和40)年に約45万人だった人口は2010(平成22)年に約34万人となり、23区で最も人口が減った区となりました。しかし近年、人口やJR田端駅の乗降客数は増加傾向にあります。

 その原因は、京浜東北線や山手線で東京や上野、池袋、新宿、渋谷などに1本で行ける交通アクセスにあります。また駅の北口に駅ビル「アトレヴィ田端」があり、向かいの田端アスカタワー(北区田端6)には飲食店などが入居しているため、生活にはそれほど困りません。

 北口を右手に行くと、東日本旅客鉄道東京支社(北区東田端)やJR東日本ホテルメッツ田端(同)などがあり、田端文士村は左手の丘の上にありました。2019年7月に公開された、新海誠監督によるアニメーション映画『天気の子』には古い駅舎の残る南口付近が登場。JRの線路を見下ろす崖の上という光景が印象的でした。南口は坂道や階段が多い風情あるエリアです。

 田端文士村はJR沿いの崖・道灌山の突端から、現在は暗渠となっている谷田川までの範囲にありました。先述したように丘の上。そこに都道458号線がまるで切り通しのように貫いています。芥川の旧居跡は都道458号線の左手に入ったところにあるのですが、街路が立体的に組み合わさっているため、初めて訪れる人は少々道に迷うかもしれません。

 そういえばふと、演出家・久世光彦の小説『蕭々館日録(しょうしょうかん にちろく)』(2001年)を思い出しました。登場人物の蕭々は作家・小島政二郎、九鬼は芥川、蒲池は菊池がモデルになっており、当時の作家たちの交流が描かれています。語り手は蕭々の娘で5歳の麗子ということで、少々不思議な感覚を与える小説です。終わりに近いころに、次の文章が出てきます。

「ガラガラと玄関の戸が開いて、黒い洋服の父さまと、黒い着物の母さまが、連れ立って現れる、これから、九鬼さんのお通夜とお葬いのお手伝いに、田端のお家にいくのだ」

 芥川の死は、まさに「巨星落つ」といった感じだったのでしょうか。

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