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有観客要請に広島訪問…IOC・バッハ会長の言動に批判、広報のプロが読み解く

オトナンサー

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IOCのバッハ会長(2021年7月、AFP=時事)
IOCのバッハ会長(2021年7月、AFP=時事)

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が来日中ですが、東京五輪開会式(7月23日)での約13分に及ぶあいさつを含め、その言動にSNS上などで批判の声が上がっています。入国した選手の新型コロナウイルス感染が確認されているのに「われわれが日本にコロナのリスクを持ち込むことは絶対にない」と言い切ったり、いったん、無観客と決まった会場について、感染状況によっては有観客を求めたり、入国間もない時期に広島市を訪問したりしているためです。

 東京五輪主催者として、本来は五輪の意義や東京で大会を開く意味を、日本人をはじめ世界の人々に訴える役割があるはずなのに、発言のたびに逆効果となっている感じもします。バッハ会長の言葉はなぜ、多くの日本人の心に響かないのでしょうか。広報コンサルタントの山口明雄さんに聞きました。

権力者の根拠のない発言

Q.バッハ会長が「リスクを持ち込まない」「大会の安全性に全幅の信頼を寄せていい」といった発言をしています。実情と懸け離れた発言のように思えますが、どう思われますか。

山口さん「結果的に実情と懸け離れた発言となりました。バッハ会長が菅義偉首相と会談したのは7月14日で、その際、『われわれがコロナのリスクを持ち込むことは絶対にない』と言って、胸を張ったと報道されています。

東京五輪・パラリンピック組織委員会(組織委)の発表によれば、その後、南アフリカのサッカー選手、テニス女子米国代表選手、米国女子体操選手団の補欠選手、自転車男子ロードレースのドイツ代表選手とチェコ代表選手、ゴルフ男子のスペインと米国選手など、次々と新型コロナウイルスの検査で陽性者が出ています。

オランダのボート競技の選手の場合は、選手村に滞在しており、競技出場後に感染が確認されたそうです。組織委の発表によれば、7月25日現在、選手10名を含む大会関係者などの陽性者は132人にのぼっています」

Q.バッハ会長はなぜ、根拠のない自信を見せる発言をするのでしょうか。実情がよく見えていないのでしょうか。それとも、虚勢を張ることで、日本人を安心させられると思っているのでしょうか。

山口さん「バッハ会長の根拠のない発言は『何があっても、最後まで、東京五輪を確実に遂行させなければいけない』という彼自身とIOCの最重要課題と焦りの反映だと思います。今年4月、IOC理事会後のオンライン会見でバッハ会長は『(緊急事態宣言は)ゴールデンウイークと関係しているもので、東京五輪とは関係ない』と発言しています。ジョン・コーツIOC副会長も5月、『緊急事態宣言下でも五輪は開ける』と発言しています。

実際にそうなってしまったわけですが、IOCにとっては東京五輪の実施が最重要課題であり、コロナ感染の拡大リスクは二の次なのです。だから、『自分たちの主張に資する発言なら、根拠など必要ない』と考えているのだと思います。危機管理広報のアドバイザーである私は、権力者の根拠のない発言はハッタリ、こけおどし、虚勢、脅し文句といった発言と同類だと思っています。

焦りという点について言えば、7月8日にIOC、組織委などの5者会談と、関係自治体を交えた協議会で、東京と埼玉、千葉、神奈川の1都3県で行われる五輪競技は無観客で開催すると決定しました。バッハ会長にとっては衝撃的な決定であり、このまま進んだら、中止もあり得るのではないかと焦ったと思います。

実際、『みんなが残念に思っている。観客もだが、五輪の雰囲気を楽しむことができない選手にとってはさらにだ』とバッハ会長はインタビューで語っています。この発言についても『みんな』という部分に根拠はないでしょう。根拠のない発言は本人の信用を落とすだけでなく、東京五輪のイメージを損なうと思います」

Q.菅義偉首相との面会で「感染状況が改善したら、途中からでも有観客を検討してほしい」と要望したとされます。この発言は東京五輪と日本政府に対して、どのような影響を与えたと思われますか。

山口さん「菅首相にとっては、原則無観客の決定に対する恨み節とも受け取れる発言ではなかったかと想像します。なにしろ、『第5波』となる急速な感染拡大が五輪開催中に起こるかもしれないという予測もある中での、バッハ会長のこの発言です。状況認識の甘さと空気の読めなさに、あきれたかもしれません。

あるいは『何があってもオリンピックは最後までやれ』とのIOCの最後通告と映ったかもしれません。あり得ない滑稽な発言のように思えても、IOCの最重要課題について、くぎを刺されたと首相も日本政府も感じたと思います」

資質問われる「中国の人々」発言

Q.橋本聖子大会組織委会長との会談では「最も大事なのは日本の人々」と言うべきところで「中国の人々」と言い間違えました。すぐに言い直したものの「日本人軽視」との批判も出ています。

山口さん「許容されるレベルのものではないと思います。例えると、会社の社長が大事なお客さまを前にして、別な顧客の名前で呼び掛けたに等しい大失態で、IOC会長としての資質が問われる問題です。来日してから5日後の橋本聖子氏との会談での発言です。バッハ会長はこの間、いったい、どこの国に滞在中だと思っていたのでしょうか」

Q.7月8日に来日したバッハ会長は8日後の16日、広島市を訪問し、平和記念公園を訪れました。平和を祈る趣旨の訪問とはされていますが「ノーベル平和賞狙いの活動の一環」との見方もあります。この行動については。

山口さん「バッハ会長は、多くのお供を連れた自分の広島訪問が感染リスクを高めるとは考えてもみなかったのだろうと思います。たとえ、頭の片隅を横切ったとしても『五輪の夢を実現するために、誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない』とかつて発言したと報道された会長の考えからすれば、感染リスク増大などはささいな犠牲なのでしょう。

緊急事態宣言中の東京都との往来自粛を広島県が呼び掛け、被爆者団体が、被爆地がバッハ会長のパフォーマンスに利用されるのではないかとの懸念から、『歓迎できない』と難色を示している中での『強行実施』でした。平和公園訪問の主な目的は、国連で採択された『五輪休戦決議』期間が当日16日に始まったことなどを話し、五輪を通じた世界平和への貢献をPRすることだったと思っています。会長にとって、コロナ感染拡大のリスクに対する日本国民への配慮より、IOCのPRが優先事項なのです。

バッハ会長自身がノーベル平和賞狙いの活動と考えているかどうかは分かりませんが、どんなに世界にアピールしても、ノーベル平和賞に選ばれることはないと思います。オンライン雑誌のクーリエ・ジャポンによれば、バッハ会長は母国ドイツでも『独裁的にIOCを支配し、IOCの活動に関わる不正と真剣に取り組んでいない』と度々強い批判を受けているそうです。

また、米紙ワシントン・ポストは7月5日に電子版で、バッハ会長を『ぼったくり男爵』と表現し、『IOCはライセンスによる収益や放映権料を手にし、一方で日本に莫大(ばくだい)な費用のかかる過剰な要求をしている』と指摘しています。バッハ会長は世界では、平和の指導者、または貢献者と評価されていないと思います」

Q.福島市での野球競技で始球式を務める方針との報道もあります。被災地訪問は大切なことですが、福島県もコロナ禍を踏まえて、無観客開催となる中での訪問です。この行動は理解を得られるのでしょうか。

山口さん「国民や福島県民の理解を得るのは難しいと思います。福島県は感染拡大地域との不要不急の往来や、旅行や帰省などを含め、県境を越えるような移動は極力控えるよう、県民に要請しています。緊急事態宣言下都市からの訪問者を歓迎するはずがありません。

広島平和記念公園訪問はまだ、『IOC会長による平和祈念』という大義名分が成り立ったかもしれませんが、野球競技の始球式であれば、福島県在住の五輪関係者の誰がやっても文句は出ません。一般の福島県民でも構わないと思います。もし、バッハ会長の『強行実施』があれば、安心安全より個人のPRを優先していると批判されると思います」

Q.国際的なイベントを主催する団体のトップが、コロナ禍で苦しむ国でイベントを開催する際、求められる発言、行動とはどのようなものでしょうか。

山口さん「今回の東京五輪に関していえば、開催国の国民の気持ちに寄り添って行動し、発言することが求められると思います。五輪開幕後も、開催反対や延期派の方が多いと私は思っています。感染状況が収まらない状況下での開催ですから、『完全無観客しかない』と考える人の方が圧倒的に多いと思います。バッハ会長の現実を直視しない数々の行動、『五輪の夢を実現するために、誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない』などの発言は、コロナ禍で苦しむ開催国民の感情を逆なでするだけです。

もし、五輪がもたらしたと推測される感染拡大が日本中に影響すれば、五輪の理念の一部である共生社会の確立や人間の尊厳の保持といった考えをIOCトップが踏みにじった行為として、後世に語り継がれることになると思います」

オトナンサー編集部

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