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「首都高、群馬まで延伸」実現なるか 熱を帯びる沿線 ずーっと前から準備済みな“やけに広いバイパス”

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首都高をさいたま市から北へ延伸する事業が進んでいますが、埼玉県や同県内・群馬県内の自治体までが“その先”への延伸を実現すべく国へ要望しています。40年以上前から構想されていた首都高延伸、日の目を見るのでしょうか。

とりあえず圏央道まで、もっといえば熊谷まで、果ては群馬まで?

 2024年現在、東京から群馬までを結ぶ国道17号バイパス群唯一の未開通区間「上尾道路(2期)」(桶川北本IC―鴻巣市)の建設が進んでいます。また、国道17号「新大宮バイパス」の上空を通る自動車専用部である首都高S5埼玉大宮線を、与野JCTから上尾市内の上尾道路まで延伸させる「新大宮上尾道路」も事業中です。

 ただ新大宮上尾道路の事業区間は、上尾市内までの17号バイパスの混雑区間をカバーするにとどまります。高速道路ネットワークとして機能を発揮するには、上尾道路の開通区間の終点である圏央道 桶川北本ICまでの延伸が不可欠として、埼玉県は2024年6月、改めてその早期事業化を国へ要望しました。

Large 240627 kumagaya 01国道17号「熊谷バイパス」。右側には広大な中央分離帯。ここは専用部の用地だ(乗りものニュース編集部撮影)。

 さらに“その先”についても、国道17号バイパス沿線の自治体などが専用部(本線)の事業化を求め、要望活動などを活発化させています。

 その自治体のひとつ、熊谷市の小林哲也市長は、「首都高速道路を熊谷市まで延伸しよう、というのが私の公約です」と紹介しています。つまり、首都高の延伸部である新大宮上尾道路を、そのまま熊谷まで延ばそうということです。

 上尾道路の未開通部が接続する先が、国道17号「熊谷バイパス」です。そこから「深谷バイパス(一部)」「上武道路」「前橋渋川バイパス」と続くバイパス群が、群馬県の関越道 渋川伊香保ICまで通じています。そのほとんどの区間には、道路の中央や側部に広い用地が確保されています。

 これらは国の構想路線「熊谷渋川連絡道路」に位置付けられており、現在できているのは“側道”にあたります。埼玉県は今回の要望でも、「高規格道路である熊谷渋川連絡道路の計画を早期に具体化すること」を掲げており、熊谷市以北の群馬県内の自治体も含め、自動車専用となる熊谷バイパス本線部の早期事業化を要望しています。

超デカいトレーラーが走る道路に

 要望が活発化しているのは、2022年にこの熊谷渋川連絡道路の区間が「重要物流道路」に指定されたことが背景のひとつにあります。

 重要物流道路は、国際海上コンテナのスタンダードとなりつつある40フィートコンテナを牽引するトレーラーを、特殊車両通行許可なしで走行できる区間を指定する制度です。これには未だ実態のない「候補路線」「計画路線」も含まれます。

 長さ16.5mにもなる40フィートコンテナ車は従来、高速道路しか許可なしでは走れませんでしたが、指定道路は構造の基準を引き上げ、機能強化を推進するとされています。輸送効率の高い40フィートコンテナをそのまま全国へ運べるようにすることは、国の国際競争力を高める観点からも重要とされています。

Large 240627 kumagaya 02重要物流道路は、大型化したトラックが普通に走れるようにする(画像:国土交通省)。

 翻って、埼玉・群馬の国道17号沿いは、東北道と関越道から離れていて、圏央道・北関東道との連携で利便性を高められる区間といえます。そもそも、どんなに幅が広くても、側道だけの状態では渋滞も発生。特に上武道路の県境付近については暫定2車線のため、渋滞が慢性化していることから、この4車線化も進められています。

 40年以上前から専用部が通ることを想定して確保された広い用地、いまこそ活用すべきときなのかもしれません。

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