仕事中に思わず本音を漏らしてしまった出来事を描いた漫画がSNS上で話題となっています。ウェブ会議中、参加者のマイクから聞こえてくる赤ちゃんの声に癒やされていた女性。「子どもの声がうるさいのでミュートにします」と言われ、思わず…という内容で「笑っちゃいました」「分かります」「思わずニンマリしちゃいますね」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
あまりにかわいくて、聞き入っていた私
この漫画を描いたのは、漫画家のるしこ(ペンネーム)さん(32)です。ツイッターでエッセー漫画などを発表。スマホ用サイト「マンガよもんが」で育児漫画を連載中です。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
るしこさん「コマを割っただけの漫画は中学生くらいから描いていました。今のような家族のエッセーを描き始めたのは結婚してからです。SNSで、その日あった面白い発言や出来事などをつぶやいていたのですが、夫本人や友人に『漫画にしては?』と言ってもらったことがきっかけです」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
るしこさん「あまりにもかわいい声だったので聞き入っていた私と、うるさいだろうからとミュートにしてしまったお母さまのギャップが、自分にも身に覚えのあるものだったからです。自分の子が乳児の頃は、外出先で子どもが泣いたり、唇をブーと言わせたりするのを、うるさくないか、迷惑じゃないかと常に周囲を気にしていました」
Q.このときの会議はシリアスな雰囲気だったのですか。
るしこさん「ウェブ会議ツールを使ってはいましたが、雑談も交えた内容で堅苦しいものではありませんでした」
Q.赤ちゃんのお母さんは親しい方だったのでしょうか。
るしこさん「このときが初対面の方でした。その後、一緒にお仕事をさせていただきました」
Q.思わず心の声が出てしまった後、このお母さんは何か言っていましたか。
るしこさん「謝られていたように思います。『もっと聞かせてほしい』は心からの本音だったのですが、気を使わせてしまったかもしれません」
Q.会議に同席していた方はどのような反応だったのでしょうか。
るしこさん「『ご褒美って!』と笑っていただきました。変な人だと思われていればいいな(笑)」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
るしこさん「今まさに乳児を抱えている方からは、相手のお母さまに共感する意見を頂きました。また、私のように自身の子が乳児期を過ぎた方からは『分かる!! ご褒美!』と共感していただき、うれしかったです。自分が赤ちゃんを育てている最中は大変で必死で、そのかわいさを100パーセントは享受できないことも多いのですが、よその赤ちゃんは泣いても暴れてもひたすらかわいいです…」
Q.現在、取り組んでいる創作活動は。
るしこさん「このままコロナが収束に向かえば、外を出歩き、人と触れ合う機会もある程度戻ってくるのかなと思います。私は妊娠中、危険回避のために、妊婦や乳児を標的とする怖いニュースやツイートばかりを追ってしまい、外出するのが怖くてたまりませんでした。
確かに、実際に心ない人もいるのですが、でも、それ以上に優しくされたこともたくさんあります。危険を知ることは必要だとは思うのですが、子ども関連は特に『怖かった、いやだった話』の方が広がりやすいので、『周囲の人が子どもに優しくしてくれた経験』をたくさん発信していきたいです」
オトナンサー編集部