かつてJALで使用されていた「ジャンボジェット」ボーイング747が、異例の転身を遂げたのち、アメリカ・カリフォルニア州の公園に飾られています。
「747SR」の初号機
アメリカ・カリフォルニア州の公園に1機の「ジャンボ機」ボーイング747が展示されています。この747、実は元JAL(日本航空)機で、同社からの退役後、異例の転身を遂げた機体です。
ジョー デイビス ヘリテージ エアパークに展示されている元JALの「JA8117」(乗りものニュース編集部撮影)。
この機体はJALで1973年から1988年まで使用されたボーイング747SR初号機、元「JA8117」です。747SRは、日本の国内線運航のために特化すべく仕様変更が図られたサブタイプで、短い路線距離で頻繁な離着陸パターンに対応できるよう、脚部など機体各部の構造が強化されたほか、エンジンの騒音レベルの低減などが図られています。
元「JA8117」はJALでの役目を終えたあと、NASA(アメリカ航空宇宙局)に引き取られます。ここでスペースシャトルを輸送するために水平尾翼の設計変更やシャトルを取り付けるためのパーツの装着をはじめとする、大きな改修が行われました。元「JA8117」は「N911NA」の機番を付与されたうえ、2012年までNASAで運用されています。
NASAでの役目を終えた元「JA8117」は2014年から、カリフォルニア州のアメリカ空軍パームデール基地のそばにある航空機展示を目玉とする公園「ジョー デイビス ヘリテージ エアパーク」で、数々の軍用機などともに展示されています。
なお、この機がシャトル輸送機としてNASAに選ばれた要因の一つとして、JALは「当時の整備状態が非常に良かったこと」を公式SNS上で挙げています。
ちなみに「NASAで第2の人生を送る元JAL機」が、今後も新たに出現しそうです。それはJALで2021年まで運用されていたボーイング777-200ER「JA704J」で、NASAに引き取られたのち、2024年9月現在、考古学、生態学、地理学、水文学、気象学といった分野における実験用データの収集などに用いる「飛行科学研究所」として使用されるべく、改修作業を受けている最中です。