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玉木宏さんは本当に頭が良い人 映画「悪と仮面のルール」、中村哲平監督インタビュー

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「悪と仮面のルール」の中村哲平監督

「悪と仮面のルール」の中村哲平監督

 1月13日から公開の映画「悪と仮面のルール」。中村文則さんの原作小説の映画化で、純粋悪となるよう育てられてきた主人公・久喜文宏(玉木宏さん)が、子供の頃から一緒に育ってきたヒロイン・久喜香織(新木優子さん)を守るため、顔と名前を変え殺人を犯すサスペンス映画として「善悪とは」「純愛とは」などがテーマとなっています。原作は「Wall Street Jornal」で2013年に「ベストミステリー10小説」に選ばれたほか、デイヴィット・グーディス賞を受賞。オトナンサー編集部ではこのほど、「悪と仮面のルール」の中村哲平監督にインタビュー取材を行いました。

原作のビジュアルや言葉を大切にした

Q.原作のある作品ですが、作品が決まってから監督としてオファーされたのでしょうか。それとも監督が「この作品を映画化したい」と希望されたのですか。

中村監督「仕事を一緒にしていたプロデューサーから『悪と仮面のルール』を映画化したいと、脚本が完成するずっと前に相談を持ちかけられ、すぐに原作を読みました。映像にするとさらに面白い作品になると感じ、ぜひとも監督をさせてくださいと伝えました」

Q.原作物を映画化するのは初めてのご経験かと思いますが、どのようなことに気をつけられましたか。

中村監督「漫画や小説を映画にすると『残念』に思うことってありますよね。それは原作の大事なところや核になる部分を無視していることが多いからだと思うんです。だから、撮影前にどのように映像化していくかを考え、原作を読んだ時に浮かんだビジュアルや、心に残る大事な言葉たち、それらを大切にしながら撮影していきました」

Q.原作物の実写化の面白さはどのようなところでしょうか。

中村監督「自分が思い浮かべた人物像と、実際に演じる玉木さんたちが思い浮かべた人物像のギャップとマッチングが楽しかったです。実際に演じてもらうと、想定していたものとは違う感情や表現が生まれたりして、そうした『生きた感情』を大事に撮影をしていきました」

Q.玉木宏さんの印象をお願いします。

中村監督「本当に頭の良い方だな、というのが第一印象でした。現場を俯瞰で見て、周りの人にも気遣いながら、いざ芝居に入ると新谷(久喜文宏の偽名)という人物にどっぷり浸かれる。それを当たり前のようにやっているけど、これってすごく大変な作業で、そうした対応力や集中力、いろいろな面を含めて頭の良い方だなという印象でした。撮影前の事前リハーサルの時に、玉木さんと作品の解釈のすり合わせをして、お互いに内容理解の意思疎通ができていたので、現場ではスムースに何の問題もなく進んでいきました。本当に繊細な素晴らしいお芝居をする方なので、撮影していて本当に楽しかったです」

Q.新木優子さんについてもお願いします。

中村監督「一枚絵で切り取った時に、美しく画面の中に存在することができる、素晴らしい雰囲気を持った女優さんですよね。ラストシーンは長回しで30分くらいのショットを4テイク撮ったのですが、どのテイクも完璧で、信頼してお芝居を任せられる人だなと思いました。あれだけの長さ、クロースアップのショットが続いても、まだ見たいと思わせる透明感と存在感もすごいですね」

現場ではボクシングトークやソイラテ

Q.中村監督の会心のシーンはどのシーンでしょうか。

中村監督「2つあります。一つは玉木さんと吉沢亮君のやり取りがあるアジトのシーン。今回の玉木さんの役柄は感情をあまり表に出さない人物なのですが、吉沢君とのシーンでは感情のやり取りがあります。ほかのシーンでは音楽をうまく利用し、シーンの流れや起伏を作っていたのですが、あのアジトのシーンでは音楽が邪魔に感じました。二人の感情のやり取りに集中するためにも、あそこのシーンでは楽曲をなくしました。もう一つはラストシーン。先ほど話した30分の長回しのシーンなのですが、これはぜひとも劇場で見てもらいたいです」

Q.映画を見させていただき、玉木さんと光石研さんのシーンがとても印象的でした。

中村監督「ありがとうございます。光石さんは榊原という人物を、もっと人間的な温かさを削ぎ落とした人物にしようとしていたのですが、そこに光石さん自身の温かさが良い感じに現れて、原作以上に榊原という人物が魅力的になったと思います。細かい光石さんの表情を追ってもらうと、セリフにはない榊原の心情が丁寧に演じられているのがわかります」

Q.劇中に「幸福とは閉鎖だ」というセリフがありますが、中村監督にとって幸福とは何でしょうか。

中村監督「自分自身の幸福は作品を作ること。作り続けること。この作品を撮って幸福についていろいろと考えたのですが、幸福って生きるモチベーションなんじゃないかなと。人によって大小あれど、そうした大きな幸福や小さな幸福の積み重ねで人生はできていて、それを追いかけ続けることが生きるモチベーションになるんだなと。主人公にとっての香織のように」

Q.撮影中、現場で何か面白かったことや心に残ったエピソードはありますか。

中村監督「玉木さんとは共通の趣味がボクシングなのでその話をしたり、撮影の移動中にスイーツトークで盛り上がったり、いつも二人でソイラテを飲んだりしていました。心に残ったエピソードは、撮影時期が完全に梅雨で、ほぼほぼ毎日予報が雨とか曇りだったんです。でも1シーン、どうしても夕日を撮りたい場面があって、最悪の場合、真逆の大雨のシーンに切り替えようかと考えていたのですが、撮影日は雲一つない晴天で本当に美しい夕日を撮ることができました」

Q.最後に映画を楽しみにしている人たちにひと言をお願いします。

中村監督「玉木さんや新木さん、吉沢くん。他作品では見られない表情を撮れたと思っています。ぜひ映画館で」

(オトナンサー編集部)

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