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「ツインターボ」を聞かなくなったワケ 時代と共に変化し続ける「ターボ」という技術

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2016年7月発売の日産「GT-R」2017年モデル(画像:日産自動車)。

2016年7月発売の日産「GT-R」2017年モデル(画像:日産自動車)。

かつてクルマの売り文句のひとつであった「ツインターボ」、最近ではめっきり聞かなくなりました。しかし「ターボ」という技術そのものは進化を続け、いまも大いに採用されています。

めっきり聞かなくなったクルマの「ツインターボ」

 かつて、高性能なクルマの売り文句のひとつに「ツインターボ」というものがありました。エンジンに空気をよりたくさん送り込むターボがふたつ(ツイン)あることから、「ツインターボ」と呼ばれ、強力なエンジン馬力を生み出していたのです。

 ところが、最近はすっかりその名を聞くことが少なくなりました。理由のひとつは高性能スポーツカーの減少でしょう。

2016年7月発売の日産「GT-R」2017年モデル(画像:日産自動車)。

 実は、いまでも日産「GT-R」やホンダ「NSX」、BMW「M4」などの高性能スポーツカーには、「ツインターボ」のエンジンが搭載されています。しかし、いまの日本においてスポーツカーは、すっかり少数派。街を見渡せば、省燃費をうたうエコカーばかりというのが実際です。そうした世の中で「ツインターボ」を使ってハイパワーを絞り出すクルマの話を耳にするのは少なくなってしまったというのが、最大の理由でしょう。

 技術の進化も「ツインターボ」を耳にしなくなった理由のひとつです。かつては、手っ取り早くパワーを絞り出すには、ふたつのターボを使うという手法が大いに流行りました。しかし、最近ではひとつのターボでも空気の流し方を工夫することで、まるでふたつのターボを使ったように、低回転域でも高回転域でもパワーを出す方法が確立されました。それが「ツインスクロールターボ」です。スバル「WRX STI」やBMW「M2」などの高性能スポーツカーに採用されています。

「ターボ」はいま、どうなっている?

 では省燃費重視の世の中になってターボを使うクルマが減ったかというと、実は反対です。欧州から「過給ダウンサイジング」という提案がなされ、広く採用されました。

2015年10月発売のプジョー「208 Allure」は1.2L 3気筒ターボエンジンを搭載(画像:プジョー)。

 かんたんにいえば、排気量を小さくしたエンジンにターボなどの過給機を付けるというものです。これにより、負荷の少ないところでは小排気量エンジンのように省燃費で走ることができます。また、パワーが必要なときはターボを使えばOK。省燃費でありながらもパワー不足を感じないというのが「過給ダウンサイジング」の狙いです。排気量が小さいので、税制上有利という魅力もあります。

 フォルクスワーゲンやプジョーといった欧州ブランドが提案したこともあり、欧州車では大いに流行り、今では欧州車の主流になるほど増えています。

 この方式は、日本でもいくつかのモデルで採用されています。その一例がホンダ「ステップワゴン」やトヨタ「クラウン」です。前者は1.5リッターのターボ・エンジン、後者には2リッターのターボ・エンジンが搭載されたグレードをラインナップしています。ライバルよりも、ひとクラス小さなエンジンですね。

「過給ダウンサイジング」も存続の危機に?

 しかし、これから欧州と日本では燃費の計算と表示方式が変わります。世界基準の「WLTC方式」です。従来の燃費計算方式よりも強い負荷をかけるため、より実燃費に近い数値になると言われています。また、負荷が大きいため、過給ダウンサイジングはより燃費の数値が悪くなることが予想されます。

2015年10月発売のトヨタ「クラウン 2.0 アスリート G-T」(画像:トヨタ)。

 カタログ値が悪くなっては過給ダウンサイジングの魅力は激減してしまうことに。もしかすると、新燃費方式の普及にともない、過給ダウンサイジングを採用するクルマは減るかもしれませんね。

 パワーを求めた時代にもてはやされたのが「ツインターボ」でした。技術が進んだことで採用が増えたのが「ツインスクロールターボ」。そして省燃費を目指した「過給ダウンサイジングターボ」。求められるものが変化すると、使われる技術も変わるというわけです。

【写真】ツインターボ採用、2代目「NSX」

2017年2月発売のホンダ「NSX」(画像:ホンダ)。

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